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動物園の餌はわざと取りづらくしている!野生を維持する工夫【初耳学】

公開日: : 最終更新日:2017/09/17 動物・生き物

動物園の餌はわざと取りづらくしている

9月17日に放送される「林先生が驚く初耳学!」の中で、動物園の餌はワザと取りづらくしている!という話題が取り上げられるようです。

動物園での餌やりはいろいろと凝った仕掛けなども使われますが、あれは決して無意味なものではなく、動物達のためにあえてそうしているのだそうです。

わざと餌を取りづらくすることにどんな効果があるのか、調査してみました。

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動物園の餌はわざと取りづらくしている

動物園では、飼育動物たちに餌をやる際に、わざと動物たちが取りづらい方法をとっています。

見つけにくい場所・取りづらい場所に餌を置いたり、面倒な手順を踏まなくては餌が取り出せないような仕掛けを施したりしているのです。

なぜそんなことをするのかというと、実はこれこそが動物たちの健康を維持する上で欠かせない要素だからです。

動物達の健康を維持するために必要

種によって多少の違いはあるものの、野生の動物たちは本来、起きている時間の大半を餌探しや狩りといった「摂食行動」に費やします。

しかし、動物園ではわざわざ餌を取らなくても簡単に手に入ってしまうため、出てきた餌をペロっと食べてすぐに終わってしまいます。

餌をもらうのは一見楽なように思えますが、本来エネルギーの大半を注ぎ込むはずの摂食行動が必要なくなると、動物たちはやることがなくなってしまいます。

実は、こうした暇を持て余すような環境というのは、本来動き続けるようにできている動物たちにとっては、多大なストレスになることが判明しています。

あまりにやることがなくなった動物は、異常行動をとるようになったり、本来の野生感が失われてしまったりして、逆に不健康になってしまう恐れがあります。

餌を取りづらくするという工夫は、動物たちが本能として持っている摂食行動を満たすことに繋がり、ストレスを解消させる効果があるのです。

動物にとって餌というのは、ただ食べれば良いというだけでなく、「苦労して餌をとる」という過程こそが重要であり、健康的な生活を送るために必要不可欠な要素なのです。

動物園の世界では、 こうした動物たちが楽しく快適に過ごせる環境づくりのことを環境エンリッチメントと呼んでいます。

環境エンリッチメントは餌やり以外にもさまざま

動物園の飼育員は、動物達の健康のために餌やり以外にもさまざまな工夫をしています。

動物達の健康を維持するための環境エンリッチメントには、以下の5種類が存在します。

【環境エンリッチメント】

<採食エンリッチメント>
餌の種類や与え方などを工夫する、食物に関連するエンリッチメント。

<空間エンリッチメント>
住処の構造や設置物、動物が操作する遊具など、飼育環境に関するエンリッチメント。

<感覚エンリッチメント>
動物の視覚・嗅覚・聴覚などに刺激を与えるエンリッチメント。匂いのついた遊び道具や音楽の再生、視覚を遮る板などが該当。

<社会的エンリッチメント>
他の動物との関わりを与えるエンリッチメント。群れでの飼育やペア飼育など、野生に近づける工夫を指す。

<認知エンリッチメント>
複雑な問題を利用して、動物の知性を刺激するエンリッチメント。複雑な餌取り装置やチンパンジーへの課題などが該当。

 

餌やりの工夫の具体例

アフリカゾウの場合

アフリカゾウの餌は、ゾウからは見ることのできない物陰や高いところに置いたり、地面の中などに隠すなどの工夫がなされます。

餌を探して歩き回ったり、見つけにくい物陰や高いところに鼻を伸ばすことが、ゾウにとってはストレス発散となるのです。

象は頭がいいので、鼻先で仕掛けを操作したり、鼻息で吹き飛ばすことで餌が出てくるような装置もよく使用されます。

名古屋にある東山動物園のアフリカゾウなどは、1日に餌を探すのに18時間もの時間を費やすそうです。

こうした工夫の効果は大きく、餌取りをしているゾウの場合、しないゾウに比べて破壊行動をほとんどしなくなるという効果が確認されています。

猿の場合

猿もゾウと同じく複雑な仕掛けがよく使われる動物です。

餌の入った木箱を用意して、箱を転がすと餌が一粒ずつ出てくるようにしたり、くりぬいた丸太に餌を入れて網を被せ、棒などを使わないと取れないようにしたりします。

野生の猿というのは、起きている時間の半分近くを餌取りに費やすため、頭が良いことも考慮して、出来る限り時間のかかる仕掛けを用意します。

ただ単に餌を与えているだけの猿は、あまりに暇すぎるストレスからか、グルーミング中に自分の毛をむしって食べる「食毛」を引き起こす恐れがあります。

水辺の生き物の場合

ラッコ・ワニなどの水辺に住む動物の場合、餌を取る活動自体が「泳ぐ」ことや「潜る」ことに直結しているため、運動を促す意味でも餌取りはとても重要な意味を持ちます。

ラッコの場合、わざと餌の魚などを氷漬けにして、凍ったままの状態でラッコに与えます。

野生のラッコは貝殻などを石で割って餌を取るため、凍った状態の餌も同じ様に叩いて割ることで中の餌を取り出します。

ワニなどの場合、肉をそのまま与えるのではなく、あえてワニの上に吊るす様にして与えます。

こうすることで、水から飛び出して捕食するといった、野生に近い行動を促すことができるのです。

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