さつまいもの割れは味や食感に影響する?食べられるかの判断と調理法
さつまいもは秋の味覚として親しまれ、さまざまな料理で楽しめる食材です。
ただ、さつまいもに割れた部分があった場合、味に影響があるのか気になる方も多いのではないでしょうか。
さつまいもの割れは必ずしも食べられないわけではありませんが、その状態によっては食感や風味に影響を及ぼすことがあります。
この記事では、さつまいもの割れが味にどう影響するのか、その対処法についても併せて解説していきます。
さつまいもの割れは味に影響するのか?
さつまいもの割れが味に与える影響
さつまいもの割れが味に影響するかどうかは、割れた部分の周辺組織の状態によって変わります。
割れた部分は、内部の組織が外気に触れているうえに、汚れが付いたりすることも多いので、乾燥や硬化によって味が低下したり食感が硬くなることがあります
割れによって全体の味が落ちることはないですが、割れの範囲が深く広がっていると、そのぶん味や食感が落ちる範囲が広くなります。
このように、割れといっても状況はさまざまなので、まず見た目や触感で異常がないかを確認し、必要に応じて割れた部分を取り除いていくことが大切です。
さほど気にする必要のない割れから、危険な割れまでいろいろあるので、どんな状態なのかはよく観察しておきましょう。
割れ以外が原因の場合は注意
割れていても硬さ以外に変化がなければいいですが、触り心地がぶよぶよだったり、ぬめりがあったり、変なにおいがする場合には、割れではなく腐敗やカビなどが原因と考えられます。
こうした異常を発見した場合には、絶対に食べないようにしてください。
仮にカビが繁殖している場合には、すでに芋全体に胞子が広がっている恐れがあるので、その場合も食べるのは避けましょう。
また、見た目が普通であっても、独特の苦味や酸味を感じる場合には、腐敗している可能性があります。
サツマイモが割れる原因とは?
さつまいもに割れが発生する原因はいくつかあります。
土壌の水分量の影響
まず、土壌の水分量の急激な変化が原因で割れが生じるケースです。
例えば、長期間の乾燥後に急に大雨が降ると、さつまいもが急成長し、その結果として表面が割れてしまうことがあります。
この現象は、トマトの裂果と同様に、皮が成長に追いつけないために起こるものです。
これが原因の割れに関しては、自然現象によるものなので、さほど心配する必要はありません。
収穫時期の遅れによるもの
次に、収穫時期が遅れることも原因の一つです。
収穫が遅れると、さつまいもは成長を続け、大きくなりすぎて割れやすくなります。
こちらも成長によって割れるものなので、それほど心配のないケースとなります。
ネコブセンチュウによるもの
ネコブセンチュウとは、土壌中に生息している体長1mm未満の線虫の一種です。
さつまいも以外にも、多くの作物に被害をもたらす植物寄生性線虫です。
ネコブセンチュウは根に寄生し、エクボ状の凹みを作り、それが進行すると実の部分にも割れが発生します。
被害がひどくなると割れが拡大して裂開したり、他の割れとくっついてケロイド上になったりすることがあります。
ネコブセンチュウにやられたさつまいもは、黒色のひび割れがあったり、窪み・裂開・くびれなどが生じます。
この手のさつまいもは状態不良で出荷されないケースがほとんどなので、お店で見かけるケースは少ないでしょう。
ただ、自宅の畑で栽培した場合などは、この虫の影響でさつまいもの状態が悪くなる可能性があるので注意が必要です。
※もしネコブセンチュウにやられた野菜を食べても、人体に影響はありません。
さつまいもが割れている時の対処法
割れたさつまいもは食べられるの?
割れたさつまいもは多くの場合、割れた部分の周辺を取り除けば食べることが可能です。
一般的な割れの場合
まず、一般的な割れで、乾燥や急激な水分変化によるものの場合は、割れた部分の周辺を取り除けば問題なく食べられます。
割れている部分が硬くなっていたり乾燥している場合も同様に、その部分を除去してから調理すると良いでしょう。
カビが生えている・腐敗している
カビが生えている場合は、カビの種類によって対応が異なります。
白カビや青カビであれば、カビとその周辺部分をしっかりと取り除いて加熱すれば食べることができます。
しかし、黒カビは毒性が強く、内部にまで浸透しやすいため、食べるのは避けた方が安全です。
黒カビが見られる場合は、そのさつまいもは廃棄するのが無難でしょう。
腐敗している場合や、変なにおいがする場合にも、廃棄しておくことをおすすめします。
ネコブセンチュウによる割れ
ネコブセンチュウに寄生されたさつまいもは、見た目にエクボ状の凹みやひび割れが見られることがあります。
この虫自体は人体に影響を与えることはありませんが、寄生された部分は品質が悪くなっているため、食べない方が良いでしょう。
ネコブセンチュウによる割れは範囲がまちまちなので、被害が大きければ廃棄、被害が小さければその周辺組織を取り除けばOKです。
割れたさつまいもの調理方法
割れている部分とその周辺を取り除き、他に異常が見つからなければ、問題なく料理で使用できます。
ただ、割れがあったさつまいもをそのまま使うのは怖いと感じるのであれば、なるべく火を通すことをおすすめします。
火を通すことで、割れた部分の硬さや乾燥が気にならなくなり、全体的に食べやすくなります。
焼き芋や蒸し芋にすることで、割れた部分の食感が柔らかくなり、甘みも引き出されやすくなります。
また、火を通すことで殺菌効果も期待できるため、割れた部分が原因での食中毒のリスクも減らすことができます。
サラダなどのように生に近い状態で食べる料理には、割れのないさつまいもを用いるなど、使い分けていくのがいいでしょう。
まとめ:さつまいもの割れは味や食感に多少影響する。割れの周辺や全体の状態をチェックして、悪い部分は取り除こう。
この記事のポイントをまとめます。
- さつまいもの割れは周辺組織の状態によって味に影響することがある
- 割れた部分は乾燥や硬化により食感が硬くなることがある
- 割れが広がるとその分味や食感が悪くなる範囲も広くなる
- 割れた部分を確認し、異常がなければ取り除いて食べられる
- 硬さ以外にぶよぶよやぬめりがある場合は腐敗の可能性がある
- カビが生えている場合、黒カビは特に注意が必要
- カビが繁殖している場合、全体に胞子が広がる恐れがある
- 見た目に異常がなくても苦味や酸味がある場合は腐敗の可能性がある
- 土壌の水分量の急変が原因でさつまいもが割れることがある
- 長期間の乾燥後に大雨が降ると急成長して割れることがある
- 収穫時期の遅れもさつまいもが割れる原因の一つ
- ネコブセンチュウはさつまいもの根に寄生して割れを引き起こす
- ネコブセンチュウの被害があるさつまいもは食べない方が良い
- 割れた部分を除去し、加熱調理することで安全に食べられる
- 火を通すと割れた部分の硬さが柔らかくなり、食べやすくなる
- 生食には割れのないさつまいもを使うことが望ましい
- カビや腐敗が見られる場合は廃棄を検討する
- 焼き芋や蒸し芋にすると甘みが引き出されやすくなる