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カブトガニの青い血液が人類を守る!生きた化石の医療への貢献

2024年10月30日動物・生き物

カブトガニ 血

4月30日に放送される「地球ドラマチック」の中で、生きた化石とも呼ばれるカブトガニが取り上げられるようです。

日本では絶滅が危惧されているカブトガニですが、アメリカ東海岸にはそれなりの数が生息しており、その血液は医療の現場でも役に立っているそうなのです。

今回は、そんなカブトガニの生態について探っていきたいと思います。

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生きた化石カブトガニ

カブトガニ 生きた化石

カブトガニは、カブトガニ科に属する節足動物の一種であり、名前に反してカニの仲間ではないどころか甲殻類ですらなく、クモなどに近い生き物です。

およそ3億年ほど前に地球上に現れてからは、ほとんど姿を変えずに現代まで生き続けているため、「生きた化石」とも呼ばれています。

日本では昔、瀬戸内海などでよく見られる生き物でしたが、環境汚染などにより生息数が激減し、環境省により絶滅危惧I類に指定されています。

アメリカでは、日本ほど個体数が少ないわけではなく、絶滅危惧種にも指定されていませんが、捕獲や生息地破壊によってゆっくりと個体数が減少しているようです。

外見の特徴

背面全体が丸いお椀のような広い甲羅で覆われ、甲羅の下には柔軟に動かせる12本の足、後方には6対の棘と長い尾が備わっています。

頭頂内眼、正中眼、複眼、側眼、さらにお腹側にも泳ぐのを補助するための複眼と、数多くの目を持っているのが特徴です。

後ろに伸びている長い尾には、光受容体という器官が備わっているほか、方向転換用の舵として使ったり、海底に刺して流されないようしたり、ひっくり返ってしまった時に起き上がるために使ったりと、多くの機能が備わっています。

上から見る分には比較的可愛いカブトガニですが、裏側がけっこうわしゃわしゃしているため、苦手な人が多いかもしれません。

カブトガニのぬいぐるみも存在していますが、表側と裏側のギャップがとても激しいのが特徴です。


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カブトガニの青い血液

人間やほかの動物とは異なり、カブトガニの血液は青色をしています。

人間の血液は、ヘモグロビンがベースのため赤い色をしていますが、カブトガニの血液は、銅を含むヘモシアニンという成分がベースのため、淡い青い色をしているのです。

この青い血液は、我々の血液とは少し変わった能力を備えています。

カブトガニの血液中には白血球が存在せず、外部から入り込んできた病原菌と戦う能力がありません。

その代わり、カブトガニの血液は細菌内の毒素と反応して凝固する能力を持っており、ゲル状の物質となって菌を閉じ込めることで、病原菌から身を守っているのです。


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青い血の恩恵は我々にも

この青い血液は、実は医療の現場でとても役に立っており、我々人間もその恩恵を受けています。

細菌毒素に反応して凝固する性質はとても貴重なものであり、カブトガニの血液から抽出される変形細胞ライセート(LAL)は、医療機器やワクチンの汚染を確認する試験で活用されています。

カブトガニの持つ変形細胞は、ほんのわずかな細菌にも反応するため、とても高い精度で汚染を見分けることが可能なのです。

以前の細菌感染試験にはウサギが利用されていたそうですが、大量のウサギが必要となるのにくわえ、結果が出るまでに48時間もかかっていました。

それが、カブトガニの血液を利用する「LAL試験」が採用されてからは、たったの45分で結果が分かるようになったというのですから、驚異的な進歩といえるでしょう。

カブトガニがいなければ、過去40年間のうちにワクチンを接種した人のうち、何割かは非衛生的な注射によって命を落としていただろう、とまで言われています。

40歳以下でワクチン接種を受けたことのある方は、知らない間にカブトガニのお世話になっていたというわけです。


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カブトガニの献血

この血液のために、アメリカでは毎年60万匹ものカブトガニがドナーとして血液を抽出されているといいます。

その貴重さから、カブトガニの血液は1リットルあたり170~180万ほどの値がつくのだそうです。

およそ30%ほどの血液を抜かれたカブトガニは、48時間以内に海に還されますが、不幸なことに長くは生きられない個体が多いそうです。

現在、研究者達は合成変形細胞の開発に取り組んでおり、いずれはカブトガニなしで、LAL試験が行われる日がくるかもしれません。

医療の進歩の裏には、カブトガニの犠牲があることを忘れないようにしなければなりませんね。


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まとめ

カブトガニがこんなに人類に貢献していたとは、まったく知りませんでした。

私もワクチン接種の際には、カブトガニの青い血液のお世話になっている世代ですので、感謝しないといけませんね。

いずれは、カブトガニの血液が必要なくなる日がくるよう、研究者の方々には頑張っていただきたいところですね。

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