テレビを見ながらSNSをやると脳の機能が破壊される!?【初耳学】
6月19日に放送される「林先生が驚く 初耳学!」の中で、テレビを見ながらSNSをやると脳の機能が破壊される、という内容が取り上げられるようです。
スマホを持っていると、ついついやってしまいがちなことですが、我々の脳にどんな悪影響を及ぼすのでしょうか?
いったいどんな危険が潜んでいるのか、探ってみました。
ながらスマホは危険!?
スマホを持っている方で、テレビを見ながらフェイスブックやツイッターなどのSNSをやる方は、結構多いと思います。
ツイッターのリアルタイム検索を見ていても、テレビで放送されている内容をつぶやいている方はかなり多く、すでに日常の習慣として定着してしまっていると言えるでしょう。
なかでも、10代の女性はテレビを見ながらのスマホ操作が日常化してしまっている人が多く、およそ6割の人が行っているというデータもあります。
こういった、テレビを見ながらスマホやパソコンを使用する行為のことを、「メディア・マルチタスキング」と呼びます。
メディア・マルチタスキングの悪影響
現代では別段珍しくない「メディア・マルチタスキング」ですが、実は我々が思っている以上に脳に悪影響を及ぼしているようなのです。
コペンハーゲン大学の研究によると、テレビを見ながらスマホやタブレットを使うと、複数のスクリーンを同時を見ることでドーパミンをつくる「Lドーパ」というホルモンが放出されます。
このホルモンの働きにより、脳内のドーパミンレベルが上昇し、いわゆる「ハイ」状態になってしまいます。
驚くべきことに、このハイ状態は薬物を使用している時の脳にとても近い状態であり、慢性化すると結果としてIQの低下を招いてしまうそうです。
また、テレビを見ながらスマホやタブレットなどで遊ぶ人は、欝や不安障害になりやすい傾向があるという研究結果もあります。
脳へのダメージが大きい
複数のデバイスを同時使用する習慣がある人は、脳の「前帯状皮質」と呼ばれる領域の密度が低くなってしまうそうです。
この領域は、意思決定や人との共感、感情のコントロールを司る部位であり、この部分の機能が低下することで、注意力散漫や不安といった感情的問題を引き起こしやすくなるのです。
マルチタスクを避ける
脳にとって良くないといわれているのは、いわゆる「マルチタスク」と呼ばれる行為です。
複数のことを同時に行うことは脳の負荷となり、生産性が著しく低下することが研究によってわかっています。
テレビを見ながらスマホやSNSを行う行為もこのマルチタスクにあたり、本人は平気なつもりでも、実は思っている以上に脳に負荷がかかっているのです。
元来、人間の脳はマルチタスクができるような構造になっていません。
ひとつのことに集中する場合は能力を一極集中、マルチタスクの場合は能力を半分ずつ割り振っている、というイメージを抱く方は多いと思いますが、これは大きな間違いです。
実はマルチタスクをしているつもりでも、それは脳が集中する仕事を高速で切り替えているだけであり、複数同時並行をしているわけではありません。
そして、その激しい切り替えが脳にとって新たな刺激となってドーパミンが分泌され、脳はこの刺激が快感となるため、日常的にマルチタスクを繰り返すようになってしまいます。
そして、マルチタスクが習慣化すると、集中力の切り替えばかりを行うようになり、だんだんとひとつのことに集中する力が衰えていってしまうのです。
また、脳に悪影響を及ぼすのは、過剰なドーパミンによる中毒だけではありません。
マルチタスクが習慣化していると、脳の中ではストレスホルモンと呼ばれる「コルチゾール」が増加してしまいます。
コルチゾールは、記憶を司る「海馬」や思考を司る「前頭前野」など、脳の中の情報処理能力を司る領域を攻撃してしまうため、脳の機能の低下を招いてしまいます。
ひどいときには、認知症のような症状に陥ってしまうケースもあるといいます。
女性が特に注意!?
マルチタスクによる弊害は、男性よりも女性のほうが大きいと言われています。
その理由としては、左右の脳を繋ぐ「脳梁」と呼ばれる部分が男性に比べて女性のほうが太く、右脳と左脳でより多くの情報が交換されるからです。
女性はこの「脳梁」の太さゆえに、複数のことを同時に行うことに長けていますが、その分、マルチタスクを行った時に左右の脳で激しく情報が交換されるため、男性よりも脳が疲労しやすいといった特徴があります。
そのため、女性は男性よりも20分長い睡眠をとり、脳を休ませたほうが良いという研究結果もあります。
また、視神経の緊張は脳の疲労に直結するため、寝る前にホットタオルで目を温めるようにすると、脳の回復に効果的だと言われています。
シングルタスクを心がける
マルチタスクによって受けた脳のダメージは、元には戻らないと言われています。
そのため、日常や仕事の中では極力シングルタスクを心がけて、マルチタスクによって受けるストレスを減らすことが重要になってきます。
情報化社会と言われている現代では、複数の情報を受け取る機会がとても増え、情報に溺れてしまうことも少なくありません。
しかし、我々人間の脳はコンピュータとは違うため、マルチタスクではなく、シングルタスクで一つずつ情報を処理していくことが大切なのです。
まとめ
いまやスマホは、我々の生活の中で大きなウェイトを占めるほどになっています。
欠かせないものとなっているからこそ、なるべく悪影響を及ぼさないような使い方をしなければ、思わぬ健康被害につながりかねません。
どれだけ便利なツールであっても、使い方によっては害になることもある、ということを念頭に置いておくようにしましょう。