夜中にお風呂に入るのは非常識?騒音による近所迷惑を防ぐ対策とは
仕事などで帰りが遅くなってしまい、夜遅くにお風呂に入った経験は誰にでもあるでしょう。
しかし、深夜に入浴するという行為は、下手をすると騒音で周辺住民に迷惑をかける恐れがあります。
こういったマナー的な問題は明確な基準がなく、どこまで気をつければいいのかがイマイチ分かりにくいのも難点です。
夜中にお風呂に入るのはどこまでが非常識なのか、ぜひこの機会に知っておきましょう。
夜中にお風呂に入るときの考え方
深夜の入浴はどこからが非常識?
深夜の時間帯の入浴がマナー的にどうなのかという問題は、ネット上でも様々な議論がなされています。
ただ、やはり深夜帯での入浴は「近所迷惑だ」という意見が多く、一般的には非常識な行為であることは認識しておいたほうがいいでしょう。
「そんなにうるさい?」と思われるかもしれませんが、お風呂場で発生する音というのは予想以上に広範囲に影響がおよびます。
環境省のガイドラインによると、人の健康に害を与えない騒音の基準値は以下のように規定されています。
昼間:55デシベル以上
夜間:45デシベル以上
※時間の定義
昼間:午前6時~午後10時
夜間:午後10時~翌日の午前6時
入浴時に出る音量は、だいたい50db~70db前後といわれており、夜間の基準値で考えるとややオーバーすることがわかります。
しかも、深夜は非常に静かなうえに風呂場は音が反響するため、水周りの音は我々が思っている以上に遠くまで届くのです。
音量的にも人の睡眠を妨げる可能性があるため、夜中の入浴には近所から苦情をいわれるリスクがあることを覚えておきましょう。
なお、入浴するかどうかのひとつの基準として、夜12時~朝6時の時間帯はマナー違反とされることが多いです。
環境省のガイドラインでは夜間の定義は夜10時以降ですが、夜10時~11時台はまだ活動している人も多いため、セーフラインと考えていいでしょう。
住宅形態による騒音の影響
一戸建ての場合
一軒家や戸建の場合、隣の家との距離や家の間取り(風呂の場所)によって、騒音になる場合とそうでない場合があります。
隣の家との距離が極端に近い物件や、風呂場のすぐ向こう側が隣の家の寝室だったりすると、騒音リスクはそれだけ高くなるでしょう。
騒音になるかどうかは、住宅の防音性や周辺住民によっても変わるため、苦情をいわれるまで音が出ていることに気づかないケースもあります。
一戸建ての場合、生活音の苦情で周辺住民と揉めたり、逆に自分が騒音被害にあった際、簡単には引っ越せないという大きな欠点があります。
その代わり、アパートなどとは違い自分で設備を増やすことができるので、防音工事や2重サッシなどで音を漏れにくくするという対策ができます。
マンションやアパートの場合
近所の騒音トラブルの悩みは、やはり一戸建てよりもアパート・マンションの方が圧倒的に多いです。
同じ建物内の部屋ということで、振動や配管の音などがダイレクトに伝わりやすく、騒音のリスクは常につきまといます。
特に、壁が薄い物件や木造建築の古い物件の場合は、些細な音ですら響くことがあるため、近所迷惑にならないような配慮が必要になるでしょう。
2階以上に住んでいる方の場合、隣の部屋だけでなく足音が下の階へ響いたり、風呂場の音が反響して上の階にも影響が出る恐れがあります。
1階にお住まいの場合、階下への影響を心配する必要がないため、隣と上の階だけに気をつければいいので若干はマシでしょう。
もし、自分の住まいの防音構造がどうなっているのかわからない場合には、周辺住民の生活音が聞こえるかどうか、静かな時に一度耳を澄ましてみてください。
周辺住民の生活音がほとんど聞こえないのであれば、こちらが深夜に入浴したとしても影響は小さいと考えられます。
ただ、これだけでは確実とはいえないため、住まいの防音構造については管理側によく確認しておいたほうがいいでしょう。
夜間入浴時の騒音をどう防ぐか
騒音防止のためには、深夜にお風呂に入らないのが一番ですが、そういうわけにはいけない方も多いでしょう。
なるべく騒音を出さずに入浴するためには、以下のような対策が有効です。
浴室用のマットを使う
浴室の床にマットを敷いておくと、シャワーが直接床に当たらなくなるので、階下への音の伝達をある程度やわらげることができます。
マットには足音を軽減する効果もあり、下の階に足音が鳴り響くのを防いでくれます。
また、浴室で使用する椅子の音は地味に大きいため、マットがあれば床に直置きするよりも音を抑えることができます。
響きやすい音に注意して動作を最小限に
風呂場で出る音はいろいろありますが、特に大きいのは以下のような音です。
・浴室のドアの開閉音
・浴槽の蓋の開閉音
・風呂の椅子を引きずる音
上記の音は、なるべく動作をゆっくりやれば防ぐことができるので、夜中はできるだけそ~っと静かに行いましょう。
湯船の中で体が浴槽に当たる音や、パシャパシャとした水音も結構響くので、夜はあまり風呂で動き回らないほうがいいでしょう。
あと、風呂場で鼻歌を歌う癖のある方は、つい無意識にやってしまいがちなのでくれぐれも注意してください。
お風呂の排水は翌朝にする
夜中に風呂の排水を行うと、かなりうるさい音が長時間流れることになります。
特別な事情がないのであれば、お風呂の排水は次の朝まで待ってから行うのがいいでしょう。
就寝して朝に風呂に入る
どうしても近所の目が気になる場合には、早朝に風呂に入るのもひとつの手です。
夜はさっさと寝るようにして朝風呂に切り替えてしまえば、余計な心配をせずにすみます。
周辺環境に気を配っておく大切さ
騒音被害というのはデリケートなものであり、住宅事情や周りの住民のタイプによってもセーフラインが変化します。
取るべき対策も周辺環境によって違うため、「こうすれば解決する」と一概にはいえません。
また、人のいる環境は流動的であり、今は全く問題なくても、ある日突然誰かが引っ越してきて苦情が飛んでくるということもありえます。
(逆に自分がいきなり騒音被害者になるケースもある)
騒音での揉め事を未然に防ぐ手段として、周辺の環境に常にアンテナを張っておくという方法があります。
常日頃からご近所と交流(挨拶程度でもいい)して、周辺環境に探りを入れながら、さりげなくこちらの情報なども伝えておくのです。
人は顔も知らない相手には手厳しいものですが、「あそこの人は仕事で帰りが遅い」と知っていてもらえれば、「多少は仕方ないな」と許容してくれるかもしれません。
また、普段から挨拶を交わし、あらかじめ「夜うるさいかもしれませんが、すいません」と声を掛けておけば、近所に与える印象もずいぶん違ってくるでしょう。
誰かが引っ越してきた際も、近所から「あそこの人は神経質」などの情報が仕入れられれば、あらかじめ対策を練ることも可能になります。
相手が人間である以上、トラブルを完全に防ぐ手立てはありませんが、普段から角が立たないように立ち回っておいて損はしないはずです。
すべての人におすすめできる方法ではないですが、揉め事や苦情を避けるためにもやれることはやっておきましょう。
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