三が日に掃除してしまったけど問題ない?風習と現代の考え方
昔から「三が日は掃除をしてはいけない」という風習がありますが、家によってはそれどころではない場合があります。
うっかり忘れて掃除してしまったけれど、大丈夫だろうかと気にされる方も多いでしょう。
本記事では、「三が日に掃除してしまった」という場合の考え方や、風習の背景や気をつけたい点をわかりやすく解説します。
三が日に掃除してしまったけど大丈夫なの?
昔の風習なので気にしなくても大丈夫
三が日に掃除をしてしまっても、気にする必要はまったくありません。
これは、古くからの日本の風習に基づく考え方だからです。
お正月には、「年神様(としがみさま)」と呼ばれる神様が家に訪れるとされ、家族に幸福や繁栄をもたらすと信じられてきました。
そのため、年神様が滞在する三が日に掃除をすると、神様を追い出してしまうことにつながり、縁起が悪いと考えられたのです。
しかし、現代ではこのような風習を厳密に守る家庭はだんだん少なくなっています。
年末の大掃除が終わらないうちに三が日を迎える場合や、ペットや小さな子どもがいる家庭では、どうしても掃除が必要なこともあります。
また、現代の掃除は静かな掃除機やウェットシートなど、ほうきを使わず、音もあまり出さない方法が増えています。
このため、風習はあくまで参考にしつつ、三が日に掃除をしてしまっても気にしすぎる必要はないでしょう。
むしろ、快適な新年を過ごすためには、家族が心地よく過ごせるような環境を保つことが大切です。
三が日は掃除をしてはいけないのはなぜですか?
三が日に掃除をしてはいけないとされる理由は、お正月に年神様を迎える日本の伝統的な習慣に基づいています。
年神様は家に福をもたらしてくれる神様であり、三が日は神様が滞在していると考えられています。
そのため、三が日には掃除をせずに家をきれいなまま保つことで、年神様を歓迎し、幸運を家にとどめることが大切だとされてきました。
ほうきで掃く行為は「福を掃き出す」ことと同じと見なされ、神様を追い出してしまうとして避けられてきたのです。
また、洗濯や水回りの掃除も「福を水で流してしまう」という意味で縁起が良くないとされています。
さらに、刃物の使用は「縁を切る」ことを連想させるため、これもお正月の期間には控えるのが望ましいとされてきました。
このように、三が日に掃除を控えるのは、福や縁を大切にするための風習です。
ただし、現代の生活環境では、三が日でも必要な掃除を最小限に行い、快適な環境を維持することも考え方の一つです。
正月ぐらいしか掃除できない方もいる
三が日に掃除を控えるべきとする風習はありますが、正月しかまとまった時間が取れない方も多くいます。
特に、サービス業や医療関係など年末年始に忙しい職種の方にとって、三が日にようやく掃除の時間が確保できるというケースは少なくありません。
年末の忙しい時期には、掃除の時間が十分に取れず、どうしても正月に回さざるを得ないこともあるでしょう。
このような場合、伝統的な風習を知っておくことは大切ですが、無理に守る必要はありません。
むしろ、掃除を行うことで快適な状態を保ち、新年を気持ちよく迎えることが生活の質を高めるポイントともいえます。
現代の住環境はほこりや汚れがたまりやすく、掃除を怠ることでかえって健康に影響を与える場合もあります。
新しい年を清潔な環境で迎えることは、心身をリフレッシュさせ、ポジティブな気持ちでスタートを切るためにも重要です。
風習にこだわりすぎず、自分や家族が気持ちよく過ごせることを第一に、無理のない範囲で掃除を進めて問題ありません。
現代のお正月の過ごし方と風習について
近年では働き方や生き方が多様化し、昔ながらのお正月の風習に厳密にこだわる人は少なくなっています。
現代のお正月は、家族や友人と自由に過ごしたり、普段忙しい分ゆっくり休んだりと、それぞれが自分に合った方法で楽しむ傾向にあります。
お正月には伝統的に「掃除をしてはいけない」「刃物を使ってはいけない」などのタブーがありますが、これらを守るかどうかも人それぞれです。
例えば、「掃除は福を掃き出すから控える」という風習も、ルンバなどのロボット掃除機であれば問題ないのか?という疑問も湧きますし、考え出すとキリがないです。
また、お正月は初詣や年賀状といった伝統行事が続く時期でもありますが、これらもライフスタイルに合わせて行うかが決められることが増えました。
メールやSNSで新年の挨拶を済ませる人や、年賀状を控える人も多く、時代に合わせて形を変えています。
このように、現代のお正月は、古い風習を知りながらも、それにとらわれず柔軟に過ごすことが一般的です。
三が日に掃除以外にしてはいけないこと
正月や三が日にやってはいけないこととは?
正月や三が日には、昔から避けるべきとされる行動がいくつかあります。
以下に代表的なものを挙げ、それぞれについて解説します。
洗濯をする
洗濯は「福を水で流してしまう」という意味が込められ、縁起が悪いと考えられています。
また、家事労働からの解放という意図もあるため、できれば控えたほうが良いでしょう。刃物を使う
刃物は「縁を切る」ことを連想させるため、三が日には使用を避けるべきとされています。
包丁を使わない料理が好まれ、正月にはおせち料理が伝統的に準備されます。火を使う料理
火の神様である荒神様を休ませるために、火を使う料理も避けるべきとされています。
また、煮炊きをすると「悪(あく)を出す」とされ、縁起が良くないと考えられています。四足の動物の肉を食べる
四足歩行の動物、特に牛や豚の肉を食べるのは避けるべきとされています。
仏教の教えに基づいた風習であり、現在でも気にされる方もいますが、現代では気にせず食べる家庭も増えています。お金を使う
お金を使うことは「無駄遣いの年になる」として縁起が悪いとされています。
ただし、お賽銭やお年玉など、縁起物に関わるお金の使用は問題ありません。喧嘩や争いごと
新年に喧嘩をするのは、年の初めから運気を下げるとされ、控えるべきとされています。
和やかに過ごし、笑顔で新年を迎えるのが良いとされています。
これらの風習は、神様や運気を尊重するためのものですが、無理にすべてを守る必要はありません。
ご家庭や生活の状況に合わせ、できる範囲で意識する程度で良いでしょう。
まとめ:三が日に掃除してしまったとしても気にする必要はない。正月にしか掃除できない場合などもあるので、あまり厳密に守る必要はない。
この記事のポイントをまとめます。
- 三が日に掃除をしても問題はない
- 掃除禁止は古い風習に基づく考え方である
- 年神様を追い出すとされ掃除がタブー視されてきた
- 現代では風習に厳密に従う家庭は減っている
- 三が日に掃除が必要な家庭もある
- 掃除機やウェットシートなら縁起への影響は少ない
- 新年を快適に過ごすための掃除も大切である
- 掃除を控える理由は福を掃き出さないため
- 洗濯も「福を流す」として控える風習がある
- 刃物の使用は縁を切ると考えられている
- 火の使用は火の神様を休ませるために避ける
- 四足の動物の肉を食べるのも控えるとされる
- 三が日にはお金の無駄遣いを避ける風習もある
- 喧嘩は運気を下げるとされて控えられる
- 風習は無理に守らず柔軟に過ごすのがよい
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