ため息の原因とメリット&デメリット|意外な健康効果と周囲への影響
あなたは「ため息」と聞いて、どんなイメージを抱きますか?
何かとストレスの多い現代社会では、"つい、ため息をついてしまう"ということは、誰にでもあることだと思います。
しかし、「ため息をつくと幸せが逃げる」という言葉があるように、ため息には、どちらかというとマイナスのイメージがありますよね。
ため息をつくことは果たして良いことなのか、悪いことなのか?
なぜ人はストレスが溜まると、ため息をついてしまうのか?
人がため息をつく原因と、ため息をつくことでどんなメリット・デメリットがあるのか調べてみました。
ため息が出る二つの原因
1.酸欠状態を改善しようとしている
忙しい状態や、緊張状態が長く続くと、人間の呼吸は浅くなります。
また、ストレス状態が続くと、どうしても下を向くことが多くなり、必然的に姿勢が悪くなってしまいます。
姿勢の悪化も、呼吸が浅くなることにつながります。
呼吸が浅いと、体は十分に酸素を取り入れることができません。
体のすみずみまで酸素を供給することができないと、酸欠状態に陥ります。
そして、酸欠状態に陥ると、体の中の疲労物質が増加してしまうのです。
ため息というのは、この酸欠状態を改善するための働きのひとつです。
浅くなった呼吸を深い呼吸に戻し、酸欠状態を改善するために、体はため息をつこうとするわけです。
2.自律神経のバランスを保とうとしている
自律神経のバランスは人間にとって、とても大事なものです。
自律神経には交感神経と副交感神経の二つがありますが、ストレスや心配事を抱えた人の自律神経は、どうしても交感神経優位に偏ってしまいがちです。
ストレスの多い現代社会では、交感神経優位の人が非常に多く、これが不眠症や体の不調の原因にもなっています。
通常、いったん優位になった交感神経は、放っておくと2時間は元に戻りません。
しかし、ため息にはこの偏りを解消してくれる効果があります。
浅くなった呼吸を深くすることで、交感神経の興奮を抑え、副交感神経がしっかり働くように促してくれます。
交感神経の優位が長期化する前にため息をつくことで、リセットをしようとしているわけです。
ため息をつくことによるメリット・デメリット
ため息をつくメリット
・緊張を緩和する
(肩の力が抜けて楽になる)
・ストレス発散ができる
(深く息をはくことで、脳と身体に新しい酸素を与えることができ、リラックス効果が期待できる)
・血行が促進される
(呼吸が深くなることで、血流がよくなる)
・自律神経のバランスが整う
(緊張やストレスで交感神経が働いて自律神経のバランスが崩れるが、
ため息をはくことで副交感神経が活発になり自律神経のバランスが整う)
ため息をつくデメリット
・ため息を長くだし続けると鬱状態になる?
(ため息は「鬱病の初期サイン」と言われている、あまり多い場合は要注意)
・周りの人を不快にすることがある
(人間関係にも影響するので、ため息のつき方、つく場所には注意)
ため息には実はプラス効果が多い
意外にも、ため息をつくという行為には、緊張緩和、ストレス発散、血行促進、神経バランスの回復、と、様々なメリットがあるのです。
先に述べたように、ストレスや緊張をほぐすために、体はため息をつこうとします。
体の不調に対する、一種の防衛反応ということですね。
世間的にはマイナスイメージが強いのですが、身体的には、ため息をついたほうがプラスになるということです。
裏を返せば、ため息をつきたくなるということは、身体が休息を求めている、ということになります。
無意識にため息ばかりついてしまう方は、ストレスを溜め込んでいないか、きちんと休息できているか、一度振り返ってみたほうがいいかもしれません。
ため息は周りへの配慮が最重要
ため息には色々なプラス効果があることがわかりました。
しかし、時や場所をわきまえずにため息ばかりついていたら、今度は周りの人が多大なストレスを受けてしまいます。
また、ため息のつき方もいろいろで、仕事が一段落した時に「ふぅ‥」という程度ならまだいいのですが、「はぁ~あ!」などという、聞き方によっては当て付けや嫌味に聞こえたりするタイプのため息は特にNGです。
そんなつもりはなくても、場の雰囲気を悪くするばかりか、周りの人に「機嫌が悪いのか?」「実は怒ってる?」といったあらぬ誤解を与えてしまいます。
どうしてもため息をつきたい場合は、人のいない場所(トイレの個室等)に移動するなどの配慮が必要でしょう。
ため息がよく出るという方は、それが周囲の人に迷惑をかけていないか、一度よく振り返ってみたほうがいいかもしれませんね。
まとめ
ため息は、ストレスからくる身体の不調を元に戻そうとする働きです。
あまりため息ばかりついている場合、たとえ疲れている自覚がなかったとしても、身体は休息をとるよう警告を発しているということです。
ため息はつき方によって、毒にも薬にもなります。
「いったい自分は何に対して、ため息をついているのか?」
その原因を見つけ出して、対処することが大切です。
周囲への配慮を忘れずに、うまくコントロールしていきましょう。