夏の自動販売機でホットが売られていない理由&常温ドリンクの需要
夏シーズン中の自動販売機のラインナップは、ほとんどが「つめた~い」ばかりとなって、「あったか~い」は姿を消すことが多いです。
そんなホット飲料ですが、実はまったくないのかというそうではなく、ちゃんと需要のあるところには存在していたりします。
また、最近では自動販売機に常温が登場して、ひそかに人気を博しているのだとか。
今回はそんな、夏の間のホット&常温ドリンク事情について調べてみました。
夏の自販機のホット&常温事情とは
「あったか~い」がほとんど消える理由
夏になると、自動販売機の中の飲み物はほとんどの場所で「コールド一色」となります。
当たり前ですが、自動販売機は営利目的で設置されていますから、季節ごとの商品ラインナップなどは売れるかどうかによって変わってきます。
夏の場合、ホットとコールドを併売しようとすると、1つの自動販売機の中で冷房と暖房を同時使用することになるため、その分電気代が高くなってしまいます。
しかし、夏にホットの飲み物を希望する人はとても少ないため、滅多に売れないホットの売り上げでその電気代を賄わないといけなくなります。
当然、利益はほとんどないに等しくなるため、ほとんどの自動販売機ではあえてホットを入れる理由がないのです。
また、夏の間は商品回転率が悪くなるため、メーカー側もホット対応商品をあまり出してこないという事情もあります。
一部ではホット需要が存在する
夏の間、ほとんどの場所で姿を消すホットですが、実は少ないながらも夏でも需要のあるところがあります。
冷房がよく効くオフィスに設置されている自販機や、冷凍庫内で仕事をする方々向けの自販機であれば、夏でもホットがきちんと売れます。
自動販売機の業者側も、こうしたホットの売り上げがちゃんと見込める場所については、電気代との兼ね合いで利益が出るかを判断し、きちんと残しておくというわけです。
また、コンビニや高速道路のSAなどでは、夏でもホット飲料が置いてあるところが結構あります。
これは、エアコンのきいた車内にいる長距離ドライバーやタクシー運転手の方は、夏でもホットコーヒー等を飲む人が多いためです。
「常温」がひそかなブームに
最近では、「あったか~い」「つめたーい」に続く第3の温度として、新たに「常温」が登場してきています。
ホット(約50度)とコールド(約5度)の2つの温度帯に加えて、新たに常温(約20度)の飲料を提供できる自動販売機の設置を展開しています。
出典:常温自動販売機の展開 -アサヒ飲料-
常温の飲み物は、身体の冷えが気になる女性を中心に需要が伸びており、最近ではコンビニなどでも常温の飲み物を置くところが増えてきています。
また、常温の飲料は熱中症対策として有効だとも言われており、特にお年寄りや体の弱い人のように、冷たい飲み物が負担となってしまう人に向いているとのこと。
ホットとコールドしかなく「中間が欲しい!」と思った経験は誰でも一度はあると思いますが、それがようやく形となり、静かなブームとなっているわけですね。
ちなみに、海外では「常温の飲み物」の存在はいたって普通のことのようで、日本のほうが広まるのが遅かったようです。
まとめ
夏にわざわざ温かい飲み物を買おうとした経験がないのですが、ちゃんと需要があるところにはあるのですね。
常温の飲み物は、冷たい飲み物に比べると満足感が減ってしまいますが、熱中症や夏バテ防止などの効果が見込めるので、うまく使い分けていきたいですね。