先負に七五三に行っても問題ない?縁起の良し悪しと六曜への考え方
子供の成長をお祝いし、これからの健康を願う行事である七五三。
親御さんにとっては感慨深い行事ですし、子供の良い思い出になるよう、なるべく縁起の良い日を選びたいものですよね。
スケジュールの都合で先負の日を選ぶ場合、縁起が良いのかどうか不安になる方もいるでしょう。
先負に七五三をやっても大丈夫なのか、詳しく見ていきたいと思います。
先負と七五三の相性について
先負に七五三をやっても大丈夫?
カレンダーに書かれている六曜(=大安・友引・先勝・先負・赤口・仏滅)のなかでは、先負は吉日と凶日の中間に位置する日です。
六曜を運勢の良い順に並べてみると、
大安→友引→先勝→先負→赤口→仏滅
となり、先負は4番目の運勢となっています。
先負には「先んずれば即ち負ける」という意味があり、訴訟などの争いごとやギャンブルなどの勝負事は避けた方が良いとされています。
先負の日は、午前中の運気が凶、午後の運気が吉となっており、これは「急いで事を進めると負ける」という運勢に由来しています。
六曜全体でみれば吉日とはいえませんが、凶日とされる赤口や仏滅ほど運勢が悪いわけでもありません。
いってみれば、可もなく不可もなくという日です。
午前中の運気が凶である以外に欠点はないので、時間にさえ気をつければ七五三の日取りとして特に問題はないでしょう。
なお、先負には「急用は避けるべき」という意味もあり、急な予定をねじ込むのは縁起が悪いとされています。
七五三は予約が必要なため当日決行はほぼありませんが、帰りに急に別の用事などは入れないほうが良いかもしれませんね。
他の六曜で選ぶならどの日?
先負以外の六曜で選ぶなら、大安・友引・先勝が一般的には吉日とされています。
「縁起が悪い」といわれないようにするには、とりあえずこの3つから選んでおけば大丈夫です。
なお、時間帯で運勢が変化する日もあるので、それらも加味したうえでスケジュールを決めていきましょう。
友引:午前中は吉、昼は凶、夕方は大吉
(昼=午前11時~午後13時)
先勝:午前中は吉、午後は凶
赤口と仏滅に関しては、一般的に凶日とされているうえ、お祝い事との相性も悪いといわれています。
縁起を気にする人からは敬遠される場合があるので、日取りを決める際は注意しておきましょう。
本来の七五三の日について
現在では七五三の期間は長めに設定されていますが、本来の正式な七五三は11月15日です。
なぜこの日なのかは諸説ありますが、五代将軍徳川綱吉が長男である徳松の成長をお祝いしたのが、天和元年11月15日だったとする説が有力です。
ゆえに、この日は七五三のお参りをするには最適であり、六曜に関わらず縁起が良いといわれています。
なお、2019年の11月15日は仏滅であり、本来なら凶日なのですが、今年は気にしなくても大丈夫ということになります。
古来からの風習を重んじる方や、特別な日に七五三をしたい方は、この11月15日にお参りするのがおすすめです。
ただ、このことはかなり有名なので、毎年11月15日はどこの神社もかなり混雑することを覚悟せねばなりません。
また、予約がすぐに埋まる可能性があるので、もし狙う場合は早いうちに準備をしておきましょう。
六曜はどこまで気にするべきなのか?
六曜は日本人には馴染み深い習慣であり、何かをする際にはつい日柄を気にしてしまうことが多いです。
しかし、神社やお寺での行事の日を、六曜による運勢で決めるのは本当に正しいことなのでしょうか?
神社仏閣と六曜は無関係
実は六曜というのは、神社やお寺とは何の関係もありません。
六曜はもともと中国で作られた吉凶占いであり、14世紀頃に日本に入ってきた後、少しずつ形を変えながら定着していったものです。
よく勘違いされがちですが、六曜は宗教由来のものではなく、あくまでも中国で生み出された民間由来の占いです。
六曜には仏滅という日がありますが、あれはもともとも「物滅」と書き、いつの間にか仏の字が使われるようになっただけの、ただの当て字に過ぎません。
当然、仏教や仏様などとは何の関係もないですし、日本古来から存在する神社や神道などとも、これまた関係がありません。
ようするに、もともと六曜と神社仏閣には何の接点もなく、六曜の概念を持ち込むことに意味はないのです。
神様のご利益は減ったりしない
そもそもな話、神様や仏様といった存在が、人間の生み出した占いに影響を受けるということ自体がおかしな話です。
よく考えてみてほしいのですが、その日の占いの運勢が悪いからといって、神様や仏様の加護やご利益が減ったりするものでしょうか?
お参りする日を選ぶのは人間側の勝手な都合であって、神様の御力やご利益は参拝日にかかわらず変わることはありません。
いつ行ったとしても、親御さんの子供を想う気持ちは神様に届くはずなので、縁起などは気にせずにお参りに行きましょう。
六曜が宇宙の真理だと思いこんでいる人は、自分で自分を不安に誘い込んで、災いや不運を自らが呼び込んでいるようなものです。
日々是好日
雨が降っても、快晴でも、仏滅でも大安でも、参詣しようと思ったその日が好日です。
出典:子授け寺浄願寺
うまく調節することが最重要
とはいっても、六曜の影響力は今でも根強く、なかなか無視することができないのも事実です。
家族ぐるみの行事ということもあり、不用意に凶日を選べば、親類から「なんでそんな日に」と口出しされるかもしれません。
そういった事態に備えて、たとえ六曜を信じていなくても、さりげなく吉日を選んでおけば、無用な揉め事を防止できます。
どんな対処が最善かは親類によっても変わるので、家族や親戚の考え方はあらかじめリサーチしておいたほうがいいでしょう。
無用なトラブルでせっかくの七五三を台無しにしないよう、うまくバランスをとりながら進めていきましょう。
まとめ
六曜の中でいえば、先負は吉日とはいえないまでも、決して悪い日ではありません。
午前の運勢が凶であることに気をつければ、七五三の日取りとして特に問題はないでしょう。
ただ、六曜はあくまでも占いに過ぎないため、厳密にはどんな日を選んでも特に問題はありません。
子供を祝福する気持ちに縁起の良し悪しなど関係ないので、七五三を無事に終えられることを第一に考えていきましょう。