鏡開きは午前と午後どちらが良いのか?時間帯や日付のルールについて
鏡開きはお正月行事の一つで、家族の無病息災を祈る大切な伝統行事です。
ただ、「鏡開きは午前と午後のどちらが良いのだろう?」と迷う方もいるかもしれません。
本記事では、鏡開きの時間帯や日付に関するルール、やってはいけないことや成り立ちについてもわかりやすく解説します。
時間帯に縛られず、安心して行える方法を確認し、正月の締めくくりを楽しみましょう。
鏡開きは午前と午後どちらが良いのか?
鏡開きに時間帯は関係あるの?
鏡開きにおいて、時間帯は特に関係ありません。
午前中でも午後でも、ご家庭やスケジュールに合わせて都合の良い時間に行うことができます。
鏡開きは神様を祀る行事の一環ですが、「時間」に関する決まりや縛りは特に存在しないため、慌てて早朝に行う必要はありません。
むしろ、家族全員が集まれるタイミングで行うことが推奨されます。
その理由は、鏡開きが本来、家族の無病息災を祈願する行事であることにあります。
家族と一緒にお餅を割り、それを一緒にいただくことで、家族の絆が深まるという意味合いも込められています。
例えば、平日は忙しい場合であれば、週末に行う家庭も少なくありません。
地域によっては伝統的に午前中に行うところもありますが、それはあくまで一つの習慣であり、厳格なルールではありません。
したがって、時間帯にとらわれず、家族や状況に合わせて柔軟に考えると良いでしょう。
前倒しは避けよう、遅らせる分には問題ない
鏡開きは、基本的に1月11日以降に行うのが一般的であり、11日より前に行うのは避けるべきとされています。
その理由は、鏡開きが松の内(正月飾りを飾る期間)が終わった後に行われる行事だからです。
松の内が明ける前に鏡餅を下げることは、年神様を見送る準備が整う前に行動するようなもので、適切ではありません。
一方で、鏡開きを11日以降に行うのは問題ありません。
むしろ、家族が集まれる日や餅を美味しく食べられるタイミングを優先するのが良いでしょう。
ただし、餅が傷むのを避けるために保存状態には注意が必要です。
例えば、真空パックの餅であれば長期間保存が可能ですが、伝統的な餅の場合はカビが生えやすいため早めに調理することをおすすめします。
このように、鏡開きは11日以降であれば柔軟に対応して構いませんが、餅の状態には十分に気を配っておきましょう。
鏡開きの餅はその日に食べきるべき?
鏡開きの餅は、その日に食べきる必要はありません。
食べきれない場合は、翌日以降に回しても問題ありませんし、むしろ無理して食べる必要はありません。
鏡開きは、年神様の力が宿るとされるお餅をいただくことで、無病息災を祈る行事です。
そのため、行事の趣旨としては、きちんと鏡餅を食べることが大切であり、1日で消費することが目的ではありません。
現代の家庭では、真空パックや小分けの鏡餅を使う場合が多く、一度に大量に食べるのが難しいケースもあるでしょう。
例えば、餅を保存しやすい形にしたり、さまざまなレシピに活用することで、負担なく食べきることができます。
注意点としては、飾っている間に餅が乾燥して固くなる場合がありますので、調理前に適切な下準備を行いましょう。
これにより、お餅の風味を損なうことなく、美味しくいただけます。
家庭の事情や人数に合わせて、ゆっくりと消費していくことを心がければ大丈夫です。
実は地域によって日付が多少異なる
鏡開きの日付は、地域によって異なる場合があります。
多くの地域では1月11日に行いますが、関西地方では1月15日、また一部の地域では1月20日とされていることもあります。
この差は、歴史的な背景や地域ごとの風習によるものです。
例えば、徳川家光が4月20日に亡くなったことをきっかけに、関東では20日を避けて11日を鏡開きの日とした経緯があります。
一方、関西地方ではその風習が広まらず、元々の15日や20日のまま行われていることが多いのです。
また、京都ではさらに早い1月4日が鏡開きの日とされています。
このように、鏡開きの日付に地域差があるため、厳密にこだわる必要はありません。
お住まいの地域の習慣や家族の都合に合わせて、無理なく行うのが良いでしょう。
ただし、正月飾りや鏡餅が年神様を祀るためのものであることを忘れず、心を込めて行うことが大切です。
鏡開きを行ううえで注意したいこと
鏡開きのタブーには注意しよう
鏡開きの際には、いくつか注意すべきタブーがあります。
その中でも代表的なものが「刃物を使わない」というルールです。
これは武家社会の名残で、切腹を連想させる刃物の使用が縁起が悪いとされたためです。
木槌や手で餅を割るのが一般的な方法とされています。
また、「餅を焼くのはNG」というルールについてですが、これは主に関西地方で言われている風習です。
焼くことで「家が焼ける」ことを連想させるため避けるというものですが、関東や他の地域ではそこまで厳格に守られていないことが多いです。
地域によってルールに違いがありますが、一般的には刃物を使わずに餅を割り、煮たり蒸したりして調理するのが良いでしょう。
例えば、お汁粉や雑煮としていただくのが伝統的で、無病息災の祈りを込める意味でもおすすめの方法です。
こうしたタブーを理解しつつ、地域の風習や家庭の習慣に合わせて柔軟に対応することが大切です。
鏡開きの飾りはどのように捨てるべき?
鏡開きの飾りは、適切な方法で処分する必要があります。
一般的には「どんど焼き」に持って行くのが理想的な処分方法です。
どんど焼きは、正月飾りを燃やすことで年神様を天に送り返すとされる行事で、多くの神社や地域で行われています。
その際、しめ縄や鏡餅の台などを持参すると良いでしょう。
もし、どんど焼きに参加できない場合は、自宅で処分する方法もあります。
その場合は、白い布や新聞紙で飾りを包み、塩でお清めをしてから一般ゴミとして捨てるのが一般的です。
ただし、地域によって処分方法に違いがあることもあるため、自治体の指示を確認することをおすすめします。
飾りを適切に処分することで、年神様に感謝の気持ちを伝え、次の年も良い年を迎える準備を整えることができます。
鏡開きはなぜ1月11日なのか
鏡開きの日付が1月11日となった背景には、歴史的な理由と習慣が深く関係しています。
もともと鏡開きは、全国的に1月20日に行われていました。
しかし、江戸幕府3代将軍である徳川家光が4月20日に亡くなったことから、幕府が「20日」を忌日として避けるようになりました。
これにより、20日に予定されていた行事が前倒しされ、多くの地域で1月11日に変更されたのです。
また、1月11日という日付には縁起の良さも関係しています。
「1」が並ぶことで「良いことが重なる」とされ、末広がりの吉日と見なされるようになりました。
そのため、武家社会だけでなく一般庶民の間でも広まり、現在では全国的に1月11日が定着しています。
ただし、地域によってはこの習慣が十分に浸透しなかったため、関西地方では1月15日や20日に鏡開きを行うケースもあります。
例えば、京都ではさらに早い1月4日を鏡開きの日とする風習があります。
このように、鏡開きの日付には地域差があるため、自分の地域の伝統や家族の都合に合わせて行うことが大切です。
伝統的な行事を正しく理解しつつ、柔軟に対応することで、より良い新年のスタートを切れるでしょう。
鏡開きは午前と午後どちらが良いのか?総括
この記事のポイントをまとめます。
- 鏡開きに時間帯の決まりはなく、午前でも午後でも行える
- 家族が集まれるタイミングで行うのが良い
- 地域によって午前中に行う習慣がある場合もある
- 早朝や夜遅くに慌てて行う必要はない
- 鏡開きは1月11日以降に行うのが一般的
- 11日より前に行うのは避けるべき
- 遅らせることには問題がない
- 鏡餅はその日に食べきる必要はない
- 餅を保存しやすい形にし、後日に回しても良い
- 刃物を使って鏡餅を切るのはタブー
- 餅を割る際は木槌や手を使うのが一般的
- 関西地方では餅を焼くのを避ける習慣がある
- 地域によって鏡開きの日付は異なる場合がある
- 飾りの処分はどんど焼きに持参するのが理想的
- 自宅で処分する場合はお清めをして捨てるのが望ましい
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