赤口は地鎮祭を行うのに不向き?日取りの決め方と建築業界での吉日
新しい家を建てる際や、何かしらの改修工事を行う時などには、地鎮祭が行われます。
工事の無事や建築物の繁栄を祈るという、とても大切な儀式であるため、やはり執り行う日取りに関しても、できる限り縁起の良い日を選びたいところです。
日柄を選ぶ基準として、「仏滅は縁起が悪い」として避ける方は多いと思いますが、「赤口」についてはいまいち良し悪しが分からない、という方も多いのではないでしょうか?
赤口は地鎮祭に向いているのかどうか、地鎮祭の日取りをどう決めるべきかについて見ていきましょう。
地鎮祭の日取りと縁起について
赤口は地鎮祭を行うには凶の日
カレンダーに書かれている六曜(=大安・友引・先勝・先負・赤口・仏滅)の中でも、赤口は仏滅と並んで厄日とされています。
赤口は、陰陽道における「赤舌日(しゃくぜつにち)」と呼ばれる不吉な日に由来しており、特にお祝い事に関しては大凶であるため、おめでたい行事は避けるべきとされています。
六曜を重視するご家庭や、なるべく縁起を担ぎたいという場合には、地鎮祭の日取りとして赤口の日は避けたほうが良いでしょう。
なお、赤口の日には「午の刻(うまのこく)」と呼ばれる一時的に運気が吉になる時間帯が存在します。
「午の刻」とは、現在でいうところの11時から13時までのことを指します。
スケジュール的にどうしても赤口の日しか選べない場合には、この午の刻に地鎮祭を行うことができないか調整してみると良いでしょう。
なお、午の刻はあくまでも「凶日の中での吉」に過ぎず、大安などの吉日に比べるとやはり運気の面では一歩劣るので、そこは注意してください。
六曜のうち、地鎮祭を行うのに向く日と時間帯は、以下の通りです。
終日を通して吉。
【友引】
正午の時間帯(11時~13時)が凶で、それ以外が吉。
【先勝】
午前中が吉、午後は凶。
【先負】
午前中は凶、午後から吉。
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日柄の良し悪しは六曜だけでは決まらない?
地鎮祭の日取りに関しては、施主、建築会社、神主さんなどの間で調節することになりますが、実は地鎮祭の日取りを決定する要素は六曜だけではありません。
建築業界では六曜以外にも、複数の暦をいくつも組み合わせて吉凶を見るため、単純に六曜で吉日を選べば良いとは限らないのです。
要は、同じ大安の日であっても、組み合わせる要素によっては、「良い大安の日」と「悪い大安の日」などが存在するというわけです。
建築業界で使われる吉凶を見る要素としては、以下のようなものがあります。
時間帯による吉凶占いであり、暦注の一つ。
カレンダーに書かれていることもあり、一般の人にも馴染み深い。
【十二直(じゅうにちょく)】
中段十二直とも呼ばれる、暦注の一つ。
北斗七星の動きを吉凶判断に用いたもの。
建・除・満・平・定・執・破・危・成・納・開・閉の12の要素からなる。
【三隣亡(さんりんぼう)】
建築関係の大凶日とされる日。
この日に建築事を行うと「三軒隣まで亡ぼす」とされている。
重視する度合いには地域差がある。
【不成就日(ふじょうじゅび)】
何事も成就しない日とされる、選日の一つ。
悪い結果だけを招くとされ、結婚、開店、契約などが忌避される日。
【一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)】
新しい事を始めるのに向くとされる、選日の一つ。
仕事始め、開店、種まきなどを行うのに適した日。
【建築吉日】
上記のものを組み合わせて算出した、建築に向くとされる日のこと。
主に十二直の建・満・平・定・成・開を選定し、そこから三隣亡や不成就日を抜いたもの。
縁起を気にする場合、さらに六曜や一粒万倍日を加味することもある。
地鎮祭の日取りを決める際、どこまでの要素を含めるかというさじ加減は、建築会社によって異なります。
たとえ大安の日であっても、三隣亡や不成就日が重なっていると地鎮祭では凶日となるため、この辺りは建築会社側とよく協議しながら決めていくのが良いでしょう。
ただ、こうした吉凶はあくまでも民間信仰の類であり、厳密にいえば神様はこうした吉凶の影響を受けないとされています。
建築会社も、しっかりと縁起を担ぐ会社もあれば、スケジュールを優先するために一切気にしないという会社もあり、日柄の重視の度合いはさまざまです。
わざわざ縁起の悪い日を選ぶ必要はありませんが、だからといって工事に遅れを発生させてまで気にするものでもありません。
落とし所をどこにするのかは、家族とよく話し合ったうえで、みんなが納得のいく日を選ぶのが一番かと思われます。
地鎮祭を行う時間帯と雨について
地鎮祭は、基本的に午前中に行われることが多いとされています。
ただこれは、そういった決まりがあるわけではなく、工事開始日の午前中にやることが多いというだけの話であり、午前と午後で運に良し悪しがあるわけではありません。
神主さんや建築会社のスケジュールによっては、午後に行われることも普通にあります。
なお、午前中の運気が凶、午後が吉である「先負」の日に限っては、地鎮祭は午後から行ったほうが良いでしょう。
ちなみにですが、地鎮祭は雨が降ったほうが縁起がよいとされています。
「雨降って地固まる」と昔からいいますし、地鎮祭の日と雨が重なった家は「水に恵まれて家が火事にならない」といわれています。
着工・棟上げ・上棟式・引渡し
地鎮祭以外にも、着工・棟上げ・上棟式・引渡しなど、建築に関する行事はいろいろと存在します。
これらの行事に関しては、工事の都合などもあって建築会社が日程を決めることが多いので、消費者側がこの辺りの日程に介入する機会は少ないと思います。
もし、こういった行事の日取りで何かひっかかる部分がある場合には、建築会社のほうにそれとなく聞いてみると良いでしょう。
ただ、我々には良くない日取りに見えても、大工さんの間ではちゃんと意味があることも少なくないため、それほど気にする必要はないと思います。
あまり縁起を気にしすぎても工事に支障が出るので、日柄を気にするのは迷惑にならない程度にとどめておきましょう。
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まとめ
・吉凶は六曜以外にもあるので、気になる場合には建築会社へ要確認
・縁起をどこまで気にするかは自由であり、よく話し合って決めるのがベスト
六曜は、全く気にしなくても特に問題はないのですが、やはりマイホームを建てる際などには、しっかりとした日取りで行いたいものです。
建築会社や家族の方針にもよるので、明確な答えは存在しませんが、よく話し合ったうえで皆が納得できるような日取りにするのが一番良い方法だと思います。
家というのは人生の大半を過ごすことになる場所ですので、後悔しないような日程を選んでいきましょう。
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