扇風機を窓の外に向ける換気法|涼しい外気と室内の熱気の入れ替え
公開日:
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最終更新日:2020/02/06
知識・お役立ち

「扇風機を窓の外に向けておくと部屋が涼しくなる」という話を聞いたことはないでしょうか?
これは、扇風機で部屋の熱気を追い出して外気と入れ替える方法であり、うまく活用すれば劇的に室温を下げることが可能です。
しかし、この方法はいつでも使えるわけではなく、適切な条件下で行わないと無意味だったり逆効果になってしまうことがあります。
どんな時に使えるのかを正しく把握して、上手く夏の暑さを緩和していきましょう。
扇風機を窓の外に向ける方法

扇風機で空気の入れ替えを促進
扇風機は通常、風を体に当てて体感温度を下げたり、汗の蒸発を促進させて体温を低下させるために使います。
しかしそれ以外にも、窓の外に向かって風を送るようにすれば、部屋の中の暑い空気と涼しい外気との入れ替えを促進させることができます。
扇風機というのは、羽根を回して周囲の空気を後ろから取り込み、前方に送り出すという仕組みで動いています。
そのため、稼動し続けていると扇風機の後ろ側は空気がだんだんと薄くなり、それを補うために他の場所から空気が流れてくるようになります。
この性質を利用して、扇風機を窓の外に向けて部屋の空気を外に押し出すようにすると、空気が薄くなった室内に外から風が入ってくるようになるのです。
夏の室内にこもった熱気は、窓を開けるだけではなかなか外に出て行かず、室内にある熱気に邪魔されて涼しい空気が入りづらくなっています。
扇風機を窓の外に向けておけば、そうした熱気を外に排出してくれるとともに、それを補填する流れで室内に外気を引き込みやすくなるわけです。
窓の外に向けるタイミングと条件
この方法で部屋を涼しくする場合、室内よりも外気温の方が低い状態でなければ意味がないという点に気をつけましょう。
室内の空気を外気と入れ替えるわけですから、中と外で気温差がない状態で行っても効果は薄く、外の方が気温が高い状態で行えば逆効果となってしまいます。
「ただ外に向ければ良い」というわけではないので、使うべきタイミングをしっかりと見極めましょう。
→外の熱気が入ってくるので逆効果
【室内の温度と外気温が近い時】
→温度の変化がないので意味がない
【外の気温の方が涼しい時】
→部屋の中の温度が下がるので効果的
扇風機での換気が役立つ場面と注意点
扇風機を外に向ける方法は、下記のような条件下の場合に特に効果を発揮します。
・外気温が下がる夜の時間帯
(室温と外気温の差が3℃以上ある場合に特に効果が大きい)
・昼と夜の温度差が大きい寒冷地
(昼間の熱が部屋にこもって抜けない場合に有効)
・構造的に熱が抜けにくい部屋
(日当たりの良い部屋・断熱材が多く使われた家)
ひとつ注意すべき点として、換気はあくまでも外気温を取り込むことで室温を下げるため、外気温が高い熱帯夜などには使いづらくなります。
最低気温が高ければ高いほど効果が薄くなるので、夜でも気温が高い真夏はこの方法だけでは乗り切れない場合があります。
熱帯夜が続くような真夏の時期は、熱中症のリスクを避けるためにも、エアコンの併用を視野に入れておきましょう。
外気の取り込み効率を上げるには

効率良く換気するためのコツ
扇風機を使って部屋の換気を行う場合、空気を排出する窓(出口)と外気を取り込む窓(入口)の2つがあった方が、空気の入れ替えがスムーズになります。
1箇所の窓で行っても効果はありますが、空気の排出と取り込みを同じ窓で行わなければならないので、室温が下がるまでに少し時間を要します。
素早く部屋の温度を下げたい場合には、2箇所以上の窓を開け放った状態で扇風機を稼動させることをおすすめします。
もし、部屋に窓がひとつしかない場合には、その窓を開けて扇風機を置き、同時に部屋の入り口と他の部屋の窓を開けておく方法がおすすめです。
こうしておくと、空気が薄くなった部屋に向かって、他の部屋の窓から自然と外の空気が入ってくるようになります。
また、窓の代わりに玄関を開け放ち、そこから外の空気を取り込むという方法もあります。
空気の通り道が複数あれば、それだけ空気の循環がスムーズになるので、お住まいの家の構造に合わせて空ける窓をいろいろと工夫してみてください。
なお、マンションにお住まいの方の場合、ベランダの窓が縦長になっていることが多く、扇風機を窓辺に置いても上の方の開いたスペースから外気が流れ込むので、1つの窓でもそれなりの効果が見込めます。
それでも熱気が抜けていかない場合には、玄関を少し開けておくとスムーズに外気が入ってくるようになります。
換気で玄関を開ける際には、必ずチェーンをかけるなどの防犯措置を忘れないように注意してください。
扇風機を2台使って効率アップ
窓を2つ開けて換気を行う場合、扇風機を2台使うとさらに換気の効率を上昇させることができます。
まず、排出用の窓に扇風機を設置して外に向けたら、外気を取り込むための窓の外側にもう1台扇風機を設置します。
そして、窓の外から部屋の中に向かって風を送るようにすれば、涼しい外気を強制的に部屋の中に送り込むことができます。
こうすると部屋の中は空気が過剰になるので、室内の熱気が外に向かって押し出されやすくなり、空気の入れ替えスピードが格段に早くなります。
部屋が広くてなかなか熱気が抜けていかない場合や、ごく短時間で部屋を涼しくしたい場合に有効なので、扇風機の台数に余裕があればぜひ試してみてください。
なお、部屋の外に扇風機を置く場合には、防犯や盗難にはくれぐれも注意が必要です。
窓の外にスペースがなかったり、外に扇風機を置きたくない場合には、開けた窓に扇風機の後ろ側をくっつけて稼動させるという方法もあります。
外に設置するのに比べて若干効率は落ちますが、外気の室内への流入速度をある程度向上させることができます。
まとめ
扇風機を窓の外に向ける方法は、きちんと使い所を選べば、非常に効果的に部屋の温度を下げることができます。
「外気温の方が涼しい時」に限られるものの、覚えておいて損はないので是非一度活用してみてください。
なお、この方法は部屋の構造や窓の位置の影響を大きく受けるので、各家庭によって最適な配置が異なります。
みなさんの家の構造に合わせて、いろいろと試行錯誤してみてくださいね。
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