寝るときに扇風機をつけっぱなしにすると悪影響?正しい配置と使い方
夏になって気温が上昇してくると、夜の寝苦しさに悩まされることが多くなってきますよね。
少しでも涼しく寝たい場合や、エアコンをつけるほどでもない場合、扇風機をつけっ放しにして寝る方も多いことでしょう。
ただし、寝る時の扇風機の使い方を間違えてしまうと、思わぬ落とし穴にハマってしまうことがあります。
寝るときの扇風機の使用について、人体に与える影響と使い方の注意点について知っておきましょう。
扇風機の風が睡眠中の人体に与える影響
蒸し暑くて寝苦しい夜の場合、扇風機の風があるだけでも寝付きがよくなるので、非常に有難いものです。
しかし、昔から「扇風機をつけっぱなしにして寝ると風邪をひく」などとよく言われるため、身体への悪影響が気になる方も多いと思います。
扇風機の位置取りや風量によっては、思わぬ体調不良を招いたり、風邪をひいてしまう可能性があるため、注意して使う必要があります。
エアコンと扇風機のイメージと実態
夏に扇風機と並んでよく使われるエアコンですが、寝る時にはエアコンを切るという方は結構多いと思います。
その理由としては、「クーラー病」などの言葉に代表されるように、「エアコンの風は身体に悪そう」というイメージがあるせいでしょう。
ただ、エアコンとは対照的に「扇風機はつけっ放しで寝る」という人は結構多く、「エアコンと違って扇風機の風は身体に優しそう」という考えの方が比較的多いことが伺えます。
しかし実は、無害そうに見える扇風機の風であっても、エアコンと同じく当たりすぎは身体には良くありません。
扇風機の風は、エアコンと違って冷たい空気ではないものの、風が直接当たることで身体が冷えてしまうという点は同じなのです。
寝る時に扇風機を使用する場合には、体調を崩さないように風が身体に直接当たらないようにすることが何より大切となります。
睡眠時に扇風機の風が当たることの弊害
人間の身体は、睡眠中は疲労の回復のために代謝が活発化します。
日中に使った脳をクールダウンして休ませるため、睡眠中は体内の温度を低下させ、熱を放出しようとします。
また、多くの栄養素を身体の隅々まで行き渡らせるために、寝ている間は血管が拡張され、主に皮膚への血流が上昇します。
こうした状態の身体というのは、いわば「表面から熱を放出している状態」なのでとても冷えやすく、ここに扇風機の風が当たると必要以上に体温が低下してしまうこととなります。
こうした過剰な体温の低下が、風邪や疲労感などのほか、消化器系などに影響を与えて「寝冷え」などを引き起こす原因となってしまいます。
「クーラー病」という言葉のせいか、身体の冷えはエアコン特有の現象だと思われがちですが、実は扇風機の風でも身体は冷えてしまうのです。
こうした冷えを防ぐためには、扇風機の配置や向きを工夫して「涼しく寝られる」+「身体が冷えない」という環境を作る必要があります。
扇風機を窓の外に向ける換気法|涼しい外気と室内の熱気の入れ替え
睡眠時の扇風機の配置と使い方
扇風機の置き方と首振りの活用
寝るときに扇風機を使用する際には、できるだけ風を身体に直接当てないことと室内の空気を循環させることの2点を心がけましょう。
まず、風量は「弱」にして、必ず首振り機能をオンにしましょう。
冷えすぎない適度な風量にくわえて首振り機能を使えば、風がずっと当たることによる冷やしすぎを防止することができます。
そして可能であれば、扇風機は身体に直接風が当たらない向き(部屋の中空に向けるなど)にして、部屋全体の空気をかき混ぜるような配置にするのが理想です。
人間は、身体の周辺に体温よりも高い空気が滞留していると、暑さと不快感を感じます。
閉め切った部屋で風の流れがない場合、自分の周りにある空気が皮膚からの熱でゆっくりと温められていくため、次第に寝苦しくなっていきます。
扇風機の風で部屋の空気を循環させてあげれば、空気の温度上昇を防げるのとともに、体感温度を下げてくれるという効果があります。
また、扇風機の風向きを身体ではなく壁の方へ向けておくという方法も効果的です。
いったん壁などに反射した風は、そよ風のような優しい風量となって戻ってきます。
こうしたそよ風は、人間を眠りに誘う効果のある「ゆらぎ」を持った適度な風量となるため、心地よく眠れるうえに、身体を冷やしすぎることもありません。
扇風機の配置を工夫することは、涼しさを維持しつつ疲労や体調不良を防ぐことができるので、寝室の扇風機の配置を一度見直してみると良いでしょう。
タイマーを上手く活用する
その日の気温や部屋の換気状況などにもよりますが、扇風機で快眠したい場合にはタイマーを上手く活用することが重要です。
人間は入眠時に体温がうまく下げられないと、上手く寝付くことができません。
熱帯夜が寝苦しく感じるのは、体温を上手く下げることができず、身体の眠る準備を妨げられてしまうことが原因です。
そのため、入眠時に扇風機で体温を上手く下げることができれば、スムーズに入眠できるうえに睡眠の質を上げることができます。
しかし、そのまま扇風機を使い続けると身体が冷えすぎてしまうため、タイマーを使って扇風機が自動で切れるようにしておくことが大切です。
およそ30分~1時間程度でタイマーをセットしておけば、身体にほとんど負担をかけることなく、スムーズな入眠効果を得ることが可能です。
熱帯夜の場合や、室温が高い場合には、およそ2~3時間程度の少し長めのタイマーをセットするようにすると良いでしょう。
タイマーを長くする場合には、前述したように直接身体に風が当たらないような位置関係に気をつけ、極力身体への負担を軽減させるようにしましょう。
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