扇風機の寿命や耐用年数はどのくらい?長期運用のリスクと注意点
夏の暑さを乗り切るためには、扇風機が欠かせませんよね。
しかしこの扇風機、夏の時期以外にはあまり出番がないため、気がつくとかなり長い年数使っていることも少なくありません。
壊れにくい家電ではあるものの、あまり長く使い続けて大丈夫なのか心配になる方もいるでしょう。
扇風機の寿命や耐用年数はどのくらいなのか、ぜひこの機会に知っておきましょう。
扇風機の寿命と耐用年数
耐用年数は何年なのか?
まず、扇風機がどのくらいの年数の使用に耐えるかですが、これはメーカーや機種によって異なります。
現在は「長期使用製品安全表示制度」の施行によって、2009年4月1日以降に製造された扇風機には、耐用年数を表示することが義務付けられています。
なので、これ以降に製造された機種であれば、本体のどこかに耐用年数が表示されているはずです。
扇風機のモーター部分や支柱の裏側などに、下記のようなシールが貼られていないか探してみてください。
※「耐用年数」ではなく、「設計上の標準使用期間」と書かれていることが多いです。
※年数はまちまちですが、3年~12年とかなり幅があります。
2009年4月1日より前に製造された扇風機については、製造年しか記載されておらず、耐用年数についての表示はありません。
一般的な扇風機の耐用年数はおよそ10年といわれているので、表示がないものはこれを目安にしてください。
なお、耐用年数は厳密な使用期限とは違うので、この期間を過ぎたらもう使えない、というわけではありません。
期間が終わっても使い続けることに問題はないので、故障していなければ継続して使っても大丈夫です。
ただ、この期間を過ぎた後は故障や不具合が出る可能性が高くなるので、異常がないか注意しながら使っていく必要があります。
寿命と使い続けるリスク
扇風機の耐用年数は、一般的に10年といわれています。
しかし、10年以上稼動することも珍しくなく、なかには40年経ってもいまだ現役という凄いケースも存在します。
扇風機は、上手くメンテナンスしてやれば長期間に渡って活躍する家電であり、その寿命は持ち主の使い方次第といえるでしょう。
とはいえ、長期に渡って運用することにはリスクもあります。
扇風機の発火による火災は、2005~2009年度の間におよそ157件起きており、このうち74件(47%)が、経年劣化した扇風機を長期間使い続けたために起こっています。
耐用年数の表示が義務付けられるようになったのも、こういった事故の多発が背景にあります。
事故のリスクを減らす意味でも、できれば耐用年数が過ぎた扇風機は買い換えるようにするのが望ましいといえるでしょう。
とはいえ、故障していない物はなかなか捨てづらいですし、もったいないと感じる方も多いと思います。
扇風機を長く使う場合には、そのリスクをきちんと理解したうえで、事故に備えた運用をしていくことが必要です。
リスク回避&長く使う際の注意点
扇風機を安全に長く使うには、異常の有無をきちんとチェックすることと、普段からメンテナンスやお手入れをしておくことが大切です。
部位ごとに、どこをチェックすれば良いのか見ていきましょう。
モーター部分のチェック
羽の付け根にあるモーター部分は、壊れると扇風機自体が駄目になってしまう、いわば心臓部です。
古くなるとここから出火する恐れがあるので、事故を防ぐためにも、モーターは念入りに確認しておきましょう。
・モーター部分が異常に熱い
・稼動時に焦げ臭い匂いがする
・回転が遅かったり、不規則になる
・異音や振動がある
上記のような症状が出る場合には、何かしらの故障や不具合が発生している可能性があります。
そのまま使用を続けると火や煙が出る可能性があるので、コンセントから電源プラグ抜いて、速やかに使用を中止しましょう。
事故の多くは、扇風機が動かないのにプラグを挿しっぱなしにして起こることが多いため、異常発生時は必ず電源プラグを抜くようにしてください。
なお、モーターの修理は個人では難易度が高く、古い機種だとメーカーも受け付けていないことが多いです。
よほど思い入れがある場合(アンティークなど)を除き、基本的には買い替えによって対応しましょう。
モーターの手入れ・メンテナンス
モーター部分に埃が溜まると、回転速度が落ちたり、熱を持ちやすくなることがあります。
定期的に埃や異物が詰まっていないかチェックすると共に、シーズンが終わって片付ける際には、羽と一緒にきちんと掃除をしておきましょう。
なお、モーター部分は水が入ってしまうと故障の原因になるので、埃は掃除機で吸いとるか、乾いた雑巾で拭き取るようにしてください。
分解して掃除できれば一番良いのですが、説明書がないと分解しても戻せなくなる恐れがあるので、無理は禁物です。
羽やファンのチェック
扇風機の羽やファンに異常があると、風が出なくなったり、モーターに負担がかかる場合があります。
また、汚れやホコリが積み重なってくると、ファンの動きが重くなって故障の原因となることがあります。
・羽が折れたり割れている
・根元部分に何か絡まっている
・埃や汚れが付着している
上記のような症状が出ていないか、定期的にチェックを行いましょう。
羽に折れや割れなどが発生している場合には、そのままの状態で使うのは危険なので絶対にやめてください。
なお、メーカーによっては羽だけ購入できる場合もありますが、値段的に新しい扇風機を買った方が安い場合も多いので、羽が破損した際は基本的に買い替えを推奨します。
羽・ファン・カバーの手入れ
羽やファンはもっとも汚れやすい場所でもあるので、ときどき掃除してあげると扇風機が長持ちします。
羽やカバーは取り外して洗うことができるので、中性洗剤で洗浄すると汚れなどを綺麗に落とすことができます。
翌シーズンまでしまっておく場合、冬の間にカビが繁殖することがあるので、洗った後のパーツは必ずよく乾燥させてから組み立ててください。
次の夏には綺麗な状態で使えるよう、できればカバーをつけてしまっておくのが望ましいです。
電源コードのチェック
電源コードの扱いが雑だと、折れ曲がってしまったり、断線を起こして扇風機自体が使えなくなることがあります。
こうした傷みは感電や火災の原因になるので、コードの扱いには十分に注意してください。
ペットを飼っている方は、コードをかじられないように注意しておきましょう。
・コードが破損して中身が出ている
・コードの向きによって電源が入らないことがある
・接触が不安定になっている
上記のような症状が起きた場合には、感電やショートの恐れがあるので、ただちに使用を中止してください。
古い扇風機を使う場合の注意点
耐用年数が過ぎた扇風機を使う場合には、以下のような点にも注意しておきましょう。
異常に気付ける状況でのみ使用する
扇風機に何か異常が起きた際、誰も気付くことができない状況下での使用は避けるようにしましょう。
稼動させたままで外出したり、就寝中に付けっぱなしにすると、何かトラブルが起きた際に気付くのが遅れて非常に危険です。
また、お年寄りや子供など、異常が出た際に対処できない人しかいない場合も同様です。
そういった状況が想定される場合には、必ず耐用年数の過ぎていない扇風機を使うようにしてください。
古い機種はメーカーHPを要チェック
扇風機による事故が増加していることに伴い、一部のメーカーでは古い扇風機の使用を取りやめるようアナウンスしていることがあります。
故障などが起きていない場合でも、メーカーから警告が出ている機種に関しては指示に従うことをおすすめします。
例として挙げると、三洋電機のHPには以下のような記載があります。
弊社では、2007年8月に弊社製扇風機をご使用のお客さま宅にて発火事故が発生しましたことを発表させていただきました。
弊社といたしましては、この事故を重く受け止め、万が一の事故発生を防止するため、販売年が1977年(昭和52年)以前の扇風機につきましては、ご使用を中止くださいますよう、お願い申し上げます。
出典:長年ご使用の扇風機についてのお知らせとお願い
こうした対応はメーカーによって異なり、古い機種であっても注意換気のみの場合もあれば、上記のように即刻使用中止というケースもあります。
事故が起きてからでは遅いので、ご自分が使っている扇風機の年代を調べて、メーカーによるアナウンスがあるかどうかをよく確認しておきましょう。
まとめ
扇風機は1年のうちでも使っている期間が短いため、思いのほか壊れにくいです。
しかし、規定の年数より長く使うと事故のリスクが高くなるので、事故に備えた運用をしていく必要があります。
買い替えか長期運用かをしっかりと考え、長く使う場合にはきちんとメンテナンスを行うことを心がけましょう。
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