ポカリスエットとアルコールの関係性|酔いやすくなる噂は本当か?
水分補給に効果的であり、さまざまな場面で愛飲されているポカリスエット。
そんなポカリですが、お酒と一緒に飲むと酔いやすくなるという噂を聞いたことはないでしょうか?
なぜか昔からずっと存在し続けている噂ですが、これがどこまで本当なのかは知らない方も多いでしょう。
ポカリとアルコール飲料の飲み合わせについて、ぜひこの機会に詳しく知っておきましょう。
ポカリとお酒の関係性について
酔いやすくなるのは本当か?
いつからある噂なのかは分かりませんが、昔から「ポカリスエットとお酒を一緒に飲むとアルコールが早く回って酔いやすい」といわれています。
ポカリは体に早く吸収されるため、一緒に飲んだアルコールの吸収も早くなり、結果的に酔いが早く回る、という理屈ですね。
一見すると納得できそうにも思えますが、実はこれには科学的な根拠はなく、ただの噂に過ぎません。
これについては、ポカリスエットの公式サイトで明確に否定されています。
“アルコールと一緒にポカリスエットを飲むと早く酔う”と勘違いされている方もいるようですが、これは大きな誤解です。ポカリスエットは水分をすばやく吸収するといった試験データはありますが、アルコールの吸収を速くするという報告はありません。
出典:ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
いくらポカリの吸収が早いとはいっても、その影響でアルコールの吸収が早くなるというのは確認されていないわけです。
ポカリとお酒を一緒に飲んでも特にデメリットはないので、あえて避けたりする必要はないといっていいでしょう。
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アルコール摂取後の脱水を防ぐ
製造元の大塚製薬さんは、お酒の後にポカリスエットを飲むことをむしろ推奨しています。
その理由は、アルコール摂取後におきる脱水症状を、ポカリで予防することができるからです。
アルコールには利尿作用があるため、飲んだ後はいつも以上に体から水分が出て行くようになります。
人間の体は普段、抗利尿ホルモンの働きによって必要以上に水分が出て行かないように、尿の量を調節しています。
しかし、アルコールにはこの抗利尿ホルモンの働きを抑制する効果があり、飲んだ後は尿の調節機能が一時的に効かなくなってしまいます。
「体内に一定以上の水分を残す」というセーブ機能が働かず、必要以上の水分が外に排出されるようになるのです。
飲酒後にやたらトイレに行きたくなるのはこれが原因であり、この時に適切な水分補給をしなければ脱水症状を起こす恐れがあります。
お酒を飲んだ後にポカリスエットを飲むと、この作用によって体外に流れ出る水分を補給することができます。
ポカリは、スムーズに水分を吸収できるうえに、それを長く保持してくれるため、アルコール摂取後に飲むにはうってつけの飲料といえます。
飲酒の後にポカリを飲むのは、失った水分を補給するうえでとても有効な手段なのです。
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二日酔いを緩和してくれる成分
水分不足を補うだけなら水でも十分ですが、ポカリスエットには二日酔いに効果のある成分が複数含まれています。
水よりもさらに効果的に二日酔いの症状を緩和できるので、うまく活用していきましょう。
お酒を飲んだ後に二日酔いの症状が起きるのは、以下の3つの原因によるものです。
・水分不足
・糖分不足
・アルコール分解の影響
ポカリスエットがこれらの症状にどう作用するのか、順番に見ていきましょう。
水分不足の緩和
お酒を飲んだ後は、利尿作用によって普段よりも多くの水分が外に出て行くため、結果的に体が水分不足の状態に陥ります。
水分が足りずに脱水状態になると、頭痛・吐き気・体がだるいといった、いわゆる二日酔いの症状が現れます。
飲んだ翌日の朝にやたら喉が渇くのは、体が水分を欲しているためです。
お酒を飲んだ後~寝る前のタイミングまでにポカリを飲んでおけば、尿として過度に排出された水分を補填して、脱水症状になりにくくしてくれます。
また、尿としてナトリウムやカルシウムなども排出されていきますが、ポカリにはミネラル分が含まれているので、それらもまとめて補給することができます。
糖分不足の緩和
人間が活動するエネルギー源となる糖分は、肝臓の中で作られています。
しかし、肝臓は同時にアルコールの分解も担っており、糖分の生成よりもアルコールの分解の方が優先度が高いため、お酒を飲んだ後は一時的に糖分の生産が止まることになります。
糖分が不足すると低血糖状態になり、頭痛やだるさ・倦怠感などが襲ってきます。
ポカリスエットには果糖が含まれているため、肝臓から供給されなくなった糖分を代わりに補充することができます。
糖分が適切に補給され低血糖を予防することができれば、二日酔いの症状も軽くなります。
アルコール分解の補助
二日酔いの症状が出る原因としては、摂取したアルコールの分解が終わっていないことが挙げられます。
アルコールは肝臓に運ばれた後、2段階にわけて分解されます。
まずはじめに、アルコールからアセトアルデヒドに分解され、その次に酢酸に分解されて無害化されます。
このうち、アセトアルデヒドは人体にとって有害な物質であり、頭痛や倦怠感といった二日酔いの症状を発生させます。
これらの症状は、アセトアルデヒドが酢酸に分解されて無害化されるまで続きます。
二日酔いを早く治すにはアルコールの分解を早めるのが一番ですが、分解のスピードは果糖や水分が不足している状態だと遅くなってしまいます。
ポカリはこれらの成分をまとめて摂取できるので、アルコールの分解を間接的に補助してくれるのです。
まとめ
ポカリスエットとお酒を一緒に飲むと酔いやすいという噂には根拠がなく、ただの都市伝説の可能性が高いです。
お酒の後のポカリにデメリットはなく、むしろお酒によって失われる水分を補給してくれる相性の良い飲み物です。
また、 水分補給だけでなく、低血糖状態を防いだり、アルコール分解に欠かせない成分を補給できるなど、二日酔いの緩和にも効果があります。
二日酔いの症状を軽くする手段として、ポカリスエットをうまく活用していきましょう。
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