加湿器に塩を入れる行為の意味とは?故障する場合と必須機種の違い
加湿器の使い方について調べていると、「加湿器の水に塩を入れる」という文章を見かけることがあります。
「加湿器に塩を入れる」という行為は、実は加湿器によって必須の場合と逆にやってはいけない場合の2通りが存在します。
どんな場合に加湿器に塩を入れるのか、逆に入れてはいけないのか、その理由について理解しておきましょう。
加湿器に塩を入れるという行為
加湿器の水に塩を入れるのは絶対NG!
加湿器に塩を少々入れると良いようなことを聞きました。本当でしょうか?
出典:Yahoo!知恵袋
上記の質問のように、「加湿器に塩を入れると何らかの効果がある」という噂を耳にするケースもあるようです。
加湿器にアロマを入れるとリラックス効果があるため、塩を入れた場合でも何らかの効果がありそうだと思うのは、ある意味仕方のないことかもしれません。
しかし、結論からいうと、普通の加湿器の水に塩を入れるのはNGです。
これをやると、最悪の場合加湿器が壊れてしまう可能性がありますので、絶対にやらないでください。
塩が必須の加湿器とそうでない加湿器
塩を入れたら壊れるのに、なぜ「塩を入れると良い」などという話が出るのか、不思議に思う方も多いでしょう。
実はこの話、完全なるデマというわけではないのです。
ごく一部ではありますが、加湿器の中には「水に塩を入れておかないと効果が出ない」という種類のものが存在します。
特に代表的なものはこの加湿器です。
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この商品は、のど飴のメーカーであるVICKSが開発したスチーム式加湿器です。
このタイプの加湿器は、電極棒という炭素の棒をタンク内の水に浸して、そこに電流を流すことで沸騰させてスチームを発生させるというタイプです。
水というのは通電しないと沸騰しないわけですが、ただの水道水をそのまま入れても電気は通りません。
そのため、この加湿器の場合は必ずユーザー側で「塩を入れる」という手順を踏み、電気が通る食塩水に変えてあげる必要があるのです。
上記の商品以外でも、海外製の加湿器の一部には、こういった塩が必要なタイプが存在します。
恐らくは、こういった加湿器の「塩を入れる」という手順だけが、噂として一人歩きしてしまっているのでしょう。
こういう電極棒を使うタイプ以外では、基本的に加湿器に塩を入れる必要はまったくないということを覚えておいてください。
ほとんどの加湿器は塩が故障の原因となる
電極棒タイプを除き、市販されている大半の加湿器は、水道水をそのまま使うことを想定して設計されています。
もし水に塩を入れてしまった場合、タンクやフィルターの中で結晶となって残るため、内部を詰まらせたり、故障の原因となってしまいます。
そもそも、加湿器で塩水を蒸気に変えたとしても、塩分はタンク内に残ってしまうため、出た蒸気はただの水に過ぎず、体に良いことは何もありません。
塩を入れるという行為は、加湿器を故障させるリスクを負ったうえ、掃除の手間を増やすだけなのです。
何の意味もありませんので、電極棒タイプ以外の加湿器に塩を入れるのはやめておきましょう。
加湿器につく白い塊は塩なのか?
加湿器を使用していると、蒸気の噴出口や貯水タンク内に白いガビガビした塊のような物体が付着することがあります。
少量ならば水垢のような汚れに過ぎませんが、長期間放置すると固形の物体となることがあり、一見すると塩のようにも見える白い塊となります。
これは、水に含まれているミネラル分(カルシウム)であり、ポットの底などに溜まる白いものと同じ物質です。
この汚れはスケールとも呼ばれ、ミネラル以外にも、シリカ、鉄、カルキなど、水道水に含まれているさまざまな残留物が固まって形成されます。
塩とは無関係な物体ではありますが、長期間放置されたものは固くなって取りにくくなってしまうので、加湿器は定期的に掃除するようにしましょう。
なお、固くなってしまったスケールは、クエン酸を用いることで楽に取ることができます。
クエン酸を使った掃除方法については、下記の記事をご覧ください。
加湿器のカルシウム汚れを掃除する方法|クエン酸で白い塊を落とそう
まとめ
加湿器に塩を入れる行為は、アロマなどのように「体に良さそう」というイメージを抱きがちですが、実際には何の効果ももたらしません。
それどころか、掃除の手間を増やしたり、最悪の場合には加湿器が壊れてしまう可能性すらあります。
「塩を入れて使うタイプの加湿器」でない限りは無用の行為なので、くれぐれも行わないようにしてください。
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