加湿器で結露が発生する場合の対策|湿度が高すぎる以外にも原因あり
風邪やインフルエンザの予防に効果的な加湿器ですが、使用すると窓や壁などに結露が発生して困ってしまうことがあります。
せっかく健康のために使っているのに、結露によって部屋がカビの温床になってしまっては元も子もありませんよね。
加湿器を使ってもなるべく結露を起こさないよう、しっかりと対策をしていきましょう。
加湿器で結露が起こる原因とは何か?
結露が起こる原因をまず特定しよう
加湿器によって結露が起きる場合というのは、実は「湿度が高いこと」だけが原因とは限りません。
家や部屋の状況によって結露の原因は違ってくるので、まずは結露が起きている原因を特定するところから始めましょう。
①加湿のしすぎ
結露を起こす原因としてもっとも多いのは、やはり加湿のしすぎによる湿度過剰です。
部屋の湿度を過剰に上げ過ぎてしまうと、空気に入らなくなった余分な水分が水滴として現れ、結果的に結露が起こってしまいます。
部屋に湿度計を置いておらず湿度管理をしていない場合や、加湿器を過剰に連続使用している場合に陥りやすいパターンです。
②断熱性能の差によって生じる温度差
湿度は適正なのにもかかわらず、結露で窓に水滴がついてしまう場合には、部屋の中の温度差によって結露が生じている可能性があります。
このパターンが起こる原因としては、窓や家自体の断熱性能が低いことが挙げられます。
家の断熱性能が低いと、いくら部屋の中を暖めていても、外気の当たる壁付近や窓の近くは気温が低くなる傾向があります。
部屋の中にこうした気温差があるせいで、湿度計で適正な数値が出ていたとしても、窓付近の極端な寒さが結露を発生させてしまう原因となります。
①の可能性が高いパターン
・湿度の数値が高くて結露している
・断熱性能が高い家
・窓が断熱構造や二重になっている
②の可能性が高いパターン
・湿度の数値は適正だが結露している
・古くて断熱性能が低い家
・木造建築などで隙間の多い家
・窓が断熱になっていない
・部屋の隅や窓際が極端に寒い
(部屋の中の温度差が大きい)
「結露が起こる=湿度が十分」とは限らない
注意したいのは、「窓に結露が起きる」ことと「部屋の湿度が十分」であることは、必ずしもイコールではないという点です。
加湿器をつけていて結露が起きると、「加湿しすぎた!」と考えて加湿器を切ってしまいがちです。
しかし、前述の②のパターンのように、たとえ湿度が適正であっても窓が極端に冷えれば結露は発生するため、加湿器を切る選択が必ずしも正しいとは限りません。
窓の急激な冷えで水滴がつくということは、加湿器によって空気中に増やした水分が、窓付近で水に戻ってしまっていることを意味します。
これはすなわち、結露によって空気中から水分が奪われているわけで、いわば窓によって除湿が行われてしまっているのです。
これに気付かずに加湿器を切ってしまえば、当然のことながら空気の乾燥した部屋で過ごすことになってしまい、加湿器をつけた意味がなくなってしまいます。
「結露=加湿過多」と安易に考えていると、ついついこの落とし穴にハマりがちです。
結露が起きた際には、加湿のしすぎによるものか、それとも温度差によるものかを、きちんと判断することが重要となります。
原因を特定しやすくするためにも、部屋には湿度計を設置しておくのが良いでしょう。
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加湿器による結露への対策・予防法
結露が起きている原因によって、取りうる対策も変わってきます。
しっかりと原因を突き止めたうえで、結露が起きないようにしっかりと対策を施していきましょう。
①「加湿のしすぎ」による結露への対策
暖房の種類によって加湿を調節する
部屋で使っている暖房器具によっては、加湿器を併用しないほうが良い場合があります。
石油ストーブやガスファンヒーターを使っている場合には、加湿器をオフにするか、設定を少し弱めにしたほうが良いでしょう。
実は、灯油を使う暖房器具というのは、燃焼させた灯油とほぼ同量の水分(水蒸気)を発生させています。
そのため、これらの暖房と一緒に加湿器を併用すると、湿度が高くなりすぎてしまう恐れがあるのです。
なお、エアコンや電気ストーブなどの灯油を使わない暖房器具は、特に水蒸気を発生させることはありません。
湿度計と加湿器による湿度コントロール
加湿のしすぎを防止するのに最適な方法は、部屋の湿度をしっかり把握しておくことです。
湿度計を部屋に置いて適宜チェックするか、加湿器に表示されている湿度の値を定期的に確認する習慣をつけましょう。
お使いの加湿器に「湿度コントロール機能」がついているのであれば、自動で湿度を管理できるように上手く活用していきましょう。
ただ、加湿器は機種によって湿度センサーの感知にムラがあるので、自分の使用している加湿器のクセを普段から把握しておくと良いでしょう。
②「温度差」で起こる結露への対策
窓に断熱処理を施す
窓の断熱性能が低い場合には、アルミ断熱シートや断熱フィルムなどを貼っておくと、結露の可能性を大幅に低下させることができます。
これらの断熱用品はホームセンターなどで売られているので、冷えやすい窓やよく使う部屋の窓に貼っておくと良いでしょう。
また、安く手軽に済ませたい場合には、プチプチ(エアキャップ)を窓に貼るという方法もあります。
プチプチの空気の層が外の寒気を遮断してくれるため、コストも安くて簡単ながらも、結露の防止に一定の効果が見込めます。
また、部屋の暖気を窓に触れさせないように、冬の間は厚めのカーテンに模様替えをするという手もあります。
部屋を暖めすぎないようにする
部屋の中と外の温度差が大きくなればなるほど、結露の発生確率は高くなります。
結露しやすい部屋で暖房器具を使う場合には、寒さを感じない範囲で温度設定を少し低めにして、部屋を暖めすぎないようにしましょう。
ただ、あまり下げすぎても風邪をひいてしまいますので、寒くて辛い場合には無理をしないようにしてください。
暖房を切る際は換気をしよう
冬の明け方の時間帯は、外気温が一気に低下するために特に結露が生じやすくなります。
寝る前まで暖房を入れていた場合、部屋の暖かさと夜中の冷えの落差によって、朝起きたら窓がひどく濡れてしまっていることがあります。
これを防ぐためには、暖房を切った後に窓を5分ほど開けておき、部屋の中の暖気を外に出してあげるようにしましょう。
外気を取り入れると、それだけ部屋の中と外気との温度差が減少するので、結露が起こる可能性を減らすことができます。
寝る前以外であっても、換気をすると部屋の中の温度差を一時的に解消することができるので、結露が起きた場合には窓を開けて換気を行うようにすると良いでしょう。
加湿器を窓や壁際に置かない
加湿器を寒くなりやすい壁際や窓の近くに置いてしまうと、それだけ結露が発生する可能性が高くなります。
外気温の影響を受けやすい場所や、冷えることが分かっている場所からは、なるべく加湿器を離しておくように心がけましょう。
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