赤口に七五三をしても大丈夫?日柄(六曜)に関する考え方や重視する点
子供の成長を祝うとともに、これからの健康を祈る行事である七五三は、子供にとっても、また親御さんにとっても重要なイベントといえます。
そんな喜ばしいイベントを行う際、なるべく良い日柄を選びたいと考えるのは当然のことでしょう。
日柄として仏滅を避ける方は多いですが、「赤口」の運気については良いのか悪いのかよく分からない、という方は多いのではないでしょうか。
「赤口」の日に七五三に行っても大丈夫なのか、七五三での日柄への考え方について知っておきましょう。
赤口と七五三との関係性・考え方
お参りの日柄はどこまで気にすればいい?
七五三は、人生で何度もあるイベントではないですし、可愛い我が子のためにもできるだけ縁起の良い日に行ってあげたいと思うのが親心というものです。
ただ、六曜(=大安・友引・先勝・先負・赤口・仏滅)の中でも、「赤口」は祝い事を行うには「凶」とされる日であり、六曜の中では仏滅と並んで縁起の悪い日となっています。
こう聞くと「赤口はやめておこう」と思われるかもしれませんが、実際はそうでもありません。
七五三と日柄の関係については、赤口が良いか悪いか以前に、六曜自体をそれほど気にする必要はないといわれているからです。
六曜はもともと中国で生み出された「小六壬(しょうろくじん)」という時刻の吉凶占いであり、日本に伝来してから多少のアレンジは入っているものの、ベースは日本の文化ではありません。
「仏滅」と言う言葉があるので誤解しがちですが、実は六曜と仏教の間には何の関係もなく、もちろん日本に古来から存在している神道とも無関係です。
また、六曜は「人間界」のことを示す占いであるため、仏界や神界には影響せず、神社仏閣におられる神様や仏様は六曜の影響を一切受けることはないとされています。
七五三は「子供が成長したことを神様にご報告する」行事であるため、六曜に影響されない神様への報告に、お日柄を気にする必要は特にないということになるのです。
また、現代の働き方と六曜は相性が悪いというのも、六曜を気にしなくて良い理由のひとつとして挙げられます。
共働きが多い現代では、親御さんの仕事の都合上、七五三のお参りの日はどうしても土日や祝日が多くなりがちです。
七五三はシーズンが限られている以上、タイミング良く休日と吉日が重なるとは限りません。
そのため、昔ほど七五三の際にお日柄にこだわる必要はないとされ、昔よりも重視する傾向が薄れてきているのです。
- 六曜と日本の神様は本来関わりがない
- 働き方の影響で昔ほど六曜を気にしなくなっている
以上の2点を踏まえて、七五三の日取りではそこまで六曜を重視する必要はないということを覚えておきましょう。
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とはいえ、親族の方からお日柄をちゃんと選ぶように言われていたり、やはり六曜を無視するのは落ち着かないという方もいるでしょう。
予定の関係上、どうしても「赤口」の日にしか七五三に行けない場合には、いったい何に気をつければ良いのでしょうか?
赤口の日は、「赤舌神(しゃくぜつしん)」という神様が従えている六鬼の鬼神のうち、特に凶暴な「羅刹神」が支配する日であり、祝い事を行うには不吉とされる凶日です。
ただ、一日中運気が低下する仏滅とは異なり、赤口には運気が一時的に吉に転じる時間帯というものが存在します。
それは、昔でいう「午の刻(うまのこく)」のことであり、現代でいうと11時~13時にあたります。
七五三の予定が赤口の日しか取れないようであれば、できる限り11時~13時の時間帯に済ますことができるように予定を組むと良いでしょう。
ただ、他のお客さんとの予約の兼ね合いもありますし、同じように赤口の日は予約が正午に集中してしまう恐れもあります。
赤口しか時間がとれなさそうな場合には、できるだけ早めに予約を済ませておくことをおすすめします。
赤口での写真撮影や前撮り
最近では、子供の負担を減らしたり、七五三当日の忙しさを緩和するために、事前に写真撮影だけを済ませておく前撮りを行うケースが増えてきています。
前撮りも七五三の延長線上にあるため、気にされる場合には撮影日のお日柄もできるだけ良い日を選んだほうが良いでしょう。
こういった写真撮影や前撮りの日柄についても、基本的に七五三の場合と同じ考え方で問題ありません。
六曜とは無関係と割り切ってしまっても良いですし、気にされる場合には、
- 大安や友引などの吉日
- 先勝の午前
- 先負の午後
などの、運気の良い日柄や時間帯を選択するのが良いでしょう。
前撮りの場合、期間が短い七五三とは異なり、時間的に余裕があるために日付の変更がしやすいというメリットがあります。
もし、七五三のスケジュール変更が難しそうな場合には、前撮りを予定に組み込んで、写真撮影だけでも吉日にする、というのもひとつの手です。
日柄にどこまでこだわるかは各家庭の事情によると思いますので、七五三の日程については、早めに相談して予定を立てておくことをおすすめします。
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六曜よりも優先するべき日とは?
七五三の日程を決める際に、六曜を重視するかどうかは人によって異なります。
ただ、たとえ七五三の日が凶日であったとしても、六曜よりも優先して選択したほうが良い日というものが2つあります。
本来の七五三の日「11月15日」
まず1つ目は、本来の七五三の日である11月15日です。
七五三の由来は諸説ありますが、1681年11月15日に五代将軍「徳川綱吉」が長男「徳松」の3歳の「髪置きの儀」を行ったのが始まりだとする説が有力とされています。
最近では、七五三のお参りの時期は比較的長めに取られていますが、本来の意味での七五三の日はこの11月15日であり、この日に限っては運気に関わらず、お参りを行うのに最も適した日であるとされています。
また、日の吉凶を占う方式の一つに「二十八宿」というものがありますが、それによると11月15日は鬼の出歩かない日である「鬼宿日」とされています。
赤口は、鬼が暴れるので凶日とされているのですが、鬼が休む日である11月15日は、たとえ赤口であったとしても1日中吉日となるのです。
六曜が気になる方であっても、11月15日は無条件にお参りに最適な日である、ということを覚えておきましょう。
記念日や家族の命日
そして2つ目は、大切な記念日や家族の命日などに七五三を行う場合です。
人によっては、親族の命日にお参りをしたり、夫婦間や家族間での重要な記念日に七五三を行いたい場合があると思います。
こういった記念日や思い入れのある日に七五三を行う場合には、六曜などのお日柄を気にする必要はまったくありません。
正月などの節目や、命日での慰霊の際に、六曜をいちいち気にすることがないように、こういった特別な日というのは運気よりも優先されるべきものなのです。
「この日に七五三に行きたい」という強い思い入れがあるならば、ためらいなくそちらを優先してしまって構いません。
六曜は我々の生活に溶け込んでいて、一定の影響力を持ってはいますが、絶対に守らなければならないというものではありません。
事前に家族・親族間でしっかりと話し合いをして、皆が納得できるような日取りを選ぶことが何よりも大切だといえるでしょう。
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まとめ
・赤口は11時~13時の「午の刻」に限って運気が吉となる
・写真撮影や前撮りの際も、上記2つの考え方で日を選べば問題ない
・記念日や家族の命日に七五三を行う場合は、六曜よりも優先して良い
忘れてはならないのは、七五三は子供の成長を神様に報告し、これからの健康を願う「お祝い事」であるという点です。
せっかくのお祝い事なのですから、日柄を気にしすぎて思いつめてしまったり、家族との間に軋轢が生じては意味がありません。
どこまでこだわり、どこまでを許容するのかを事前にしっかりと決めておき、七五三を子供の大切な思い出にしてあげることを第一に考えましょう。
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