効率の良い暗記法と記憶のテクニック|睡眠・栄養・BGMも大切な要素
みなさんは「暗記」は得意ですか?
学校の期末テストや受験ではほぼ必須ですし、社会人になっても、仕事や資格試験で必要に迫られますよね。
でも、この「覚える」というだけのことが、なかなかに難しく、頑張って頭に詰め込んでいるのに、するすると頭から消えていってしまう経験は、誰しもが少なからず経験していると思います。
しかし、実は暗記にはいくつかのコツがあります。
正しい暗記方法を行えば、長く記憶にとどめておくことができるようになるのです。
人間の記憶のメカニズム
短期記憶と長期記憶
まず、人間の脳の記憶には、短期記憶と長期記憶があります。
物事を記憶すると、まずは短期記憶として海馬に送られ、そこで、「必要な記憶」と「不必要な記憶」に分けられます。
必要と判断された記憶は、海馬から側頭葉というところに移されて保存されます。
これが長期記憶となり、忘れにくくなります。
ですが、必要と判断されなかった記憶は、不必要な記憶として捨てられてしまいます。
これが「忘れる」ということです。
ということは、この海馬に保存されている短期記憶のうちに、より多くの記憶を脳に「必要な記憶」だと思わせる必要があるのです。
忘れる速度
人間の記憶は、時間の経過とともに忘れるようにできています。
普通の記憶であれば、1時間で1/2、1日経つと3/4を忘れてしまいます。
しかし、これはただ物事を普通に覚えた場合の話であり、覚える方法を工夫すれば忘れるスピードを下げることができます。
暗記のコツ2点
つまり、暗記するうえで重要なのは以下の2点です。
・短期記憶ではなく、長期記憶としてインプットする
・忘れるスピードを下げる方法でインプットする
効率の良い暗記方法
では、具体的に効率良く暗記するための方法を挙げてみましょう。
声に出して読みながら書く
音は脳に刺激を与え、脳を活発にします。
声に出しながら暗記することで、脳に刺激を与えながら記憶することができるのです。
さらに、声に出しながら書いて覚えると、脳への刺激が増えるのでより効果が上がります。
覚えることを具体的にイメージして絵として覚える
覚える単語などを具体的にイメージしながら、絵や映像として覚えるという方法もあります。
特に英単語や漢字など、言葉の意味を覚える時に有効な方法です。
意味を具体的に絵や映像で想像することで、集中力が増して覚えやすくなります。
また、この絵や映像が意味を思い出す時のきっかけになります。
「語呂合わせ」などもこの方法の一つです。
さらに、同じ意味の言葉や逆の意味の言葉など、関連性があるものを一緒にイメージして覚えると効率が良いです。
人に教える
人に教えるということは、相手が理解できるように説明する必要があります。
相手が解るように説明することで、自分が覚えた記憶を繰り返すことが出来る為、記憶が定着します。
また、この方法のメリットは人に教える楽しさがあることです。
楽しみながら行えるので、暗記のストレスが少ない方法と言えます。
動きを取り入れて覚える
脳と筋肉は神経で繋がっています。
そのため、動くことで筋肉から脳へ刺激があり、動きながら覚えることで記憶が定着しやすくなるのです。
有名な二宮金次郎は薪を背負って歩きながら勉強したそうですが、まさにこれは理に適った勉強法だったと言えるでしょう。
短時間で反復する
短期記憶を長期記憶にするには、反復して記憶することが重要です。
短期記憶として海馬に送られた情報は、1回だけでは重要な情報だとは判断されません。
しばらく経つと、海馬はその情報を忘れようとします。
しかし、何度も同じ情報をインプットすると、「繰り返し入ってくる情報は、重要な情報に違いない」と判断され、長期記憶として残りやすくなるのです。
また、人間の記憶の性質上、ひとつのことを何度も反復してから次へ行くよりも、短時間で軽く覚えたものを全体として何度も反復するほうが効率は上です。
英単語を例に出すと、1単語を10回記憶して、それを10単語、というやり方よりも、1単語を1回記憶して、それを10単語、全体を10回反復、としたほうが結果的に長期記憶として残りやすくなります。
成功者が教える暗記テクニック(動画)
京大生が教える3大暗記テクニック
効率的に記憶できる暗記の6原則
東大生が実際にやっていた暗記法
暗記効率を高めるのに役立つ知識
直接的な暗記の方法ではありませんが、記憶力を高めるのに有効な生活習慣や、より効率よく暗記を行うために覚えておいたほうが良い情報について挙げていきます。
あなたの暗記能力を最大限引き出すためにも、是非これらの情報を役立てていきましょう。
記憶の定着には睡眠が不可欠
睡眠中、人間の脳は記憶の整理をしています。
入ってきた情報を整理して脳に固定する作業を行うので、睡眠をしっかりとらないとせっかく覚えたことが脳に定着しません。
また、眠気を感じる状態では集中力が低下し、暗記効率を著しく低下させてしまいます。
長期記憶をする場合は、しっかりと寝ることが大切だということを覚えておきましょう。
昔は「いかに睡眠時間を削れるかで合否が決まる」などと言われていましたが、それは古い情報であり、研究の進んだ現代ではこうした方法は効率が悪いことが分かっています。
闇雲に睡眠時間を削るのではなく、睡眠と勉強の時間をバランスよく確保することを心がけましょう。
なお、脳科学者の統計データでは、だいたい6~7時間半の睡眠時間がベストだといわれています。
記憶力を高める栄養素
イワシに含まれるDHAや活性化剤DMAEは、記憶力やIQを向上させる効果があると言われています。
最近では、こうした栄養素を効率よく摂取できるように調整されたサプリメントなども販売されているので、受験シーズン中や短期間での追い込みの際に活用してみるのもひとつの手です。
また、脳を覚醒させて集中力を向上させるカフェインも、勉強や暗記を行う際には有効です。
コーヒーには勉強能力を向上させてくれる作用があるため、下記の記事を参考にして上手く日々の勉強に取り入れてみてください。
コーヒーの持つ勉強能力向上効果とは?集中力や記憶に作用する飲み方
記憶力に影響する脳波状態とBGM
人間の脳は、そのときの心理状態によって脳波が以下のように変化します。
β(ベータ)脳波(13~30Hz):軽い緊張+普通の思考状態
α(アルファ)脳波(7~13Hz):何かに没頭している+リラックス状態
θ(シータ)脳波(4~7Hz):深い瞑想 or 夢を見ている状態
δ(デルタ)脳波(4ヘルツHz):夢を見ていない深い睡眠状態
さまざまな実験の結果、人間はα(アルファ)脳波の状態がもっとも記憶力が向上することがわかっています。
本来、自分で脳波をコントロールするためには専門的な知識が必要となりますが、実はBGMを用いることで比較的簡単に脳波をα波に近づけることができます。
ネットで「α波」で検索すると音源がいろいろ出てくるので、活用してみると良いでしょう。
まとめ
暗記というのは、必要とされる場面が多いわりに、誰もその効率的なやり方について教えてはくれません。
たいていの場合、学生時代に自分でやり方を模索するしかなく、効率の悪い方法で身についてしまうと、なかなか変える機会がないのです。
上記に挙げた方法をいくつか試してみて、是非、自分にあった暗記法を見つけてみてください。
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