オロナミンCは妊娠中に飲んでもOK?つわり軽減の噂がある理由とは
すっきりとした飲み心地と、栄養ドリンク風味の炭酸が美味しいオロナミンC。
妊娠している方の中には、たまにこの味が恋しくなったり、無性に飲みたい衝動に駆られる方が意外と多くいるようです。
とはいえ、カフェインなどの成分の関係上、妊娠中に飲んでも大丈夫なのか気になる部分もあるでしょう。
オロナミンCを妊娠中に飲む場合の注意点と、つわりなどへの影響について知っておきましょう。
オロナミンCは妊娠中でも問題ない?
妊娠中に影響する成分とは
オロナミンCの成分の中で、妊娠中にNGとされるのは「カフェイン」と「アルコール」の2つです。
カフェイン
オロナミンC1本に含まれているカフェイン量はおよそ18mgです。
数字だけではいまいちわかりにくいと思うので、他の飲料の含有量と比較してみましょう。
ドリップコーヒー(150ml):100mg
インスタントコーヒー(150ml):65mg
ココア(150ml):50mg
リポビタンD(1本):50mg
コーラ(500ml):34mg
紅茶(150ml):30mg
オロナミンC(1本):18mg
玄米茶(150ml):15mg
コーヒーなどの飲料と比べると、オロナミンCのカフェイン含有量はかなり少ないことがわかります。
イギリスの研究によると、妊娠中のカフェイン摂取は1日平均で100mgを超えたあたりから、早産や流産などのリスクが飛躍的に上昇していくという結果が出ています。
そのため、妊婦が一日に摂取するカフェインは、多くても100mgまでに抑えるのが望ましいとされています。
100mgを目安に考えた場合、コーヒーであれば1日1杯でも多いぐらいですが、オロナミンCの場合は6本ほど飲んでようやく到達する数値です。
さすがに6本も飲むのは現実的ではありませんので、適量を守ってさえいればカフェインによる影響は軽微といえるでしょう。
ただ、18mgは極端に小さい数値でもないので、普段からカフェイン飲料を飲んでいる方は、併用によって基準値を超えないように注意してください。
アルコール
オロナミンCには、0.91gという微量ながらアルコールが含まれています。
清涼飲料水というのは、定義のうえでは「アルコール1%未満の飲料」のことを指し、含有量がそれ以下であれば表示の義務もありません。
それゆえにラベルの原材料名や成分の欄を見ても記載されていないため、地味に気がつきにくい部分です。
とはいえ、オロナミンCに含まれているアルコールは非常に少ないため、そこまで神経質になる必要はないでしょう。
ビールやお酒などに比べれば含有量は非常に少ないですし、何本もガブ飲みしたりしない限りは影響するほどの数値には届きません。
オロナミンCの場合、アルコールよりもカフェインのほうが1日の許容量に近いため、カフェイン量を考えて飲む本数を抑えていれば、アルコールが基準を超えることはまずないといって良いです。
ただし、アルコールアレルギーがある方や、産婦人科の先生から「アルコール完全禁止」を言い渡されている場合には、微量でも反応してしまう恐れがあるので、飲むのは控えたほうが良いでしょう。
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砂糖の摂り過ぎには要注意
オロナミンCを飲む際、カフェインとアルコールにはたしかに注意が必要ですが、一番気をつけなければいけないのは糖分です。
オロナミンCに含まれている糖分は1本あたり19gとなっていますが、この数値自体は清涼飲料水の中ではそれほど多い量ではありません。
しかし、成人の1日の砂糖摂取量の目安はだいたい25g前後といわれており、この基準でいけば2本飲んだ時点で基準をオーバーしてしまうことがわかると思います。
カフェインやアルコールの量には余裕があるものの、糖分の摂取量はかなり高いため、実質的には1日1本以上飲むことはあまり推奨しません。
妊娠中はどうしても甘いものが欲しくなりがちですが、ジュースやお菓子で砂糖を摂りすぎてしまうと、肥満の原因になったり低血糖を招く恐れがあります。
我慢しすぎてストレスを溜める必要はないですが、砂糖の摂り過ぎにならないよう、オロナミンCはたまに1本飲む程度に抑えておいたほうが良いでしょう。
つわり軽減の噂とその理由
ママさん達の間では「オロナミンCを飲むとつわりが軽減される」という噂があります。
これは科学的な裏付けがある話ではなく、あくまでも経験談や口コミによって広がった噂に過ぎません。
ただ、オロナミンCに含まれている成分を見てみると、この噂はジンクスやおまじないの類とは少し違うことがわかります。
オロナミンCには、ビタミンB6が1本あたり4.9mg含まれています。
ビタミンB6の1日の摂取目安量は、成人男性が1.4mg、成人女性が1.2mgであり、オロナミンC1本で1日に必要な3~4倍の量が摂れる計算になります。
実はこのビタミンB6、アメリカの産科婦人科学会が2015年に更新した「つわり治療のガイドライン」の中で、つわり症状の軽減に一定の効果が見込めるとして推奨されている栄養素のひとつです。
ただ、このガイドラインの元となった検証ではビタミンB6の投与量がかなり多く(8時間毎に10~25mg)、これだけの量を食べ物から摂取するのは現実には厳しいという問題点があります。
ビタミンB6の配合量が多い食材といえば「唐辛子」「米ぬか」「にんにく」などが挙げられますが、どれもつわり中の方にとってはきつい食材ばかりです。
しかも、ビタミンB6の必要量がかなり多いため、たとえ配合量の多い食材でもある程度の量を食べなくてはならず、とてもつわり中の方に実践できる方法とはいえません。
結局、食べ物から摂るのは現実的ではなく、効率的にビタミンB6を摂取しようと思ったら、サプリメントぐらいしか選択肢はないということになります。
しかしそんな中、現実的なビタミンB6の補給手段として使えるのがオロナミンCです。
オロナミンCは「量が少なくて飲みやすい」「量の割りにビタミンの配合量が破格」という2点を兼ね備えており、その効率の良さは食品の中でも随一です。
少なくても量が摂れる食品は他にほとんどないため、貴重なビタミンB6の補給手段として重宝します。
「つわり軽減」の話はあくまでも噂の域を出ませんが、ビタミンB6の配合量や飲みやすさを考えると、とても理に適った方法であることがわかります。
「つわりが軽くなった」という体験談も比較的よく見かけますし、ママさん達が推す理由も頷けるというものです。
感じ方には個人差があるので万人向けとはいえませんが、つわりが辛い時のひとつの選択肢として覚えておくと役に立つかもしれません。
ただ、妊娠中はできるだけ控えたいカフェインや糖分も入っていますので、1日に何本も飲んだりせず、必ず適量を守るようしてください。
オロナミンCの陣痛と出産ジンクスについて|根拠の有無と活用方法
まとめ
オロナミンCは、つわりで吐き気のある方でも比較的飲みやすく、ビタミンB6も効率よく補給できる便利な飲料です。
入っているカフェインやアルコールの影響については、含有量が少ないこともあり、よほど無茶な飲み方をしない限りは問題ないでしょう。
むしろ気をつけたいのは糖分の方であり、飲みやすいからといって何本も飲んでしまうと、肥満の原因になってしまう恐れがあります。
我慢しすぎてストレスを溜める必要はありませんが、1日に飲む本数についてはきっちり守るようにしてくださいね。
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