ポカリスエットは酸性?アルカリ性?食品分類上と実際の性質の違い
スポーツドリンクの代名詞ともいえるポカリスエットですが、このドリンクは「酸性」か「アルカリ性」かご存知でしょうか?
お酢のような分かりやすい物とは違い、普段あまり気にすることでもないので「よくわからない」という方がほとんどかと思います。
ポカリスエットの液性や分類、それが及ぼす影響について解説していきたいと思います。
ポカリスエットは酸性orアルカリ性?
ポカリスエットの液性と食品分類
公式ホームページにも書いてありますが、ポカリスエットのphを測った場合には酸性の値を示します。
ポカリのph値はおよそ「3.5~4」であり、これは市販の飲み物の中ではそこそこ酸性寄りの数値となっています。
これは、内容物としてビタミンCや酸味料が含まれているためであり、液性でいえば弱酸性ということになります。
ただ、なぜか食品分類上ではポカリスエットはアルカリ性食品に分類されています。
「酸性なのにアルカリ性食品」とは、一見おかしな定義に見えますが、実はこれは矛盾しているわけではありません。
食品分類上の「アルカリ性食品」「酸性食品」という区分は、その食品の性質が酸性かアルカリ性かとは別の基準で決定されるからです。
ポカリスエットの中には、カルシウム・カリウム・ナトリウム・マグネシウムなどの成分が含まれています。
これらは体内に入った後、燃焼された時にアルカリ性を示す物質群であり、ポカリスエットの場合、体内で酸性を示す物質よりもアルカリ性を示す物質の方が多く含まれています。
食品分類というのは、体内に入った後にどちらの性質を示す物質のほうが多く含まれているかによって決まるので、ポカリスエットは「アルカリ性食品」に分類されます。
総合すると、ポカリスエットは「液性が酸性を示すアルカリ性食品」であり、この「酸性」と「アルカリ性食品」の2つは矛盾しないということになるのです。
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ポカリスエットの液性による影響
ポカリが胸焼けに効くという噂の真偽
実は、ポカリスエットには胸焼けに効果があるという噂があります。
理屈的には、胸焼けの原因である胃酸過多に対し、アルカリ性の飲み物によって中和するというものです。
しかし、ここまで読んでいる方ならばお察しの通り、ポカリスエットは酸性であるため、この情報は誤りであることがわかります。
恐らくは「アルカリ性食品」という呼び名から、「ポカリスエット=アルカリ性」であると誤解したことによって生まれた噂なのでしょう。
胸焼けや胃痛・食道炎などの症状には、酸性の飲み物などの刺激物は良くないため、ph値が酸性寄りのポカリスエットでは、これらの症状への改善効果はないと思われます。
むしろ、酸を含む飲食物は食道や喉を傷つける恐れがあるので、胸焼けには中性~アルカリ性に分類される水道水やミネラルウォーターを飲んだほうがいいでしょう。
酸性の飲み物の意外な落とし穴
ポカリスエットをはじめとしたスポーツドリンクには、液性が酸性を示すものが多く存在します。
普段はこれを気にする必要はありませんが、実はある条件下においては酸性であることが悪影響を及ぼすことがあります。
その条件下とは、スポーツドリンクを金属製の水筒に入れた場合です。
酸性の液体は金属を腐食させて溶かしてしまうため、水筒の内部に傷などがあった場合、そこから金属が溶け出して、飲んだ人が中毒症状を引き起こす恐れがあるのです。
ただ、この事例で中毒が起こる確率は低く、水筒内部のコーティングが剥がれていなければそれほど心配する必要はありません。
とはいえ、2008年には実際にこの事例での中毒事故が発生しているため、念のため注意しておくに越したことはないでしょう。
水筒でスポドリを持ち歩く際には、必ず水筒の中に傷や破損がないかどうか、よく確認しておきましょう。
なお、水筒の中に通常の2倍のフッ素加工が施された、スポーツドリンク専用の水筒も販売されています。
スポーツドリンクをよく持ち歩く方は、なるべく専用の水筒を使うことを心がけましょう。
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まとめ
ポカリスエットは「液性が酸性を示すアルカリ性食品」という不可思議な分類ですが、これはph値による液性と食品分類上の区分が別物であることに起因します。
アルカリ性の飲み物だと勘違いされることもありますが、液性と分類の話は少し複雑ですし、誤解してしまうのもある意味仕方のないことでしょう。
普段の食生活で酸性を意識することはまずありませんが、水筒での事例や胸焼けの件を踏まえて、変な間違いをしないように知識として覚えておくのが良いでしょう。
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